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【過去記事】2003年 檜洞丸 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:檜洞丸(神奈川県)
行動日:2003年 12月 23日(火)
天気:晴れ
コースタイム/コース:
 西丹沢自然教室 06:20
 ゴーラ沢出合
 檜洞丸 10:30
 熊笹ノ峰 11:55
 犬越路避難小屋 13:15~14:00/東海自然道
 用木沢出合 15:20
 西丹沢自然教室 15:45
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檜洞丸(1601m)/右側・左は熊笹ノ峰方面
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ようやく冬らしい晴れの日が続いたので、蛭ヶ岳よりも更に西へと檜洞丸に向かうことにした。
西丹沢自然教室よりゴーラ沢出合経由で檜洞丸に登頂し、犬越路に抜けて用木沢出合に下りてくるコースを考えた。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

今回は日の出より歩き出しても充分間に合うので、4:30頃自宅を出発し、東名高速に乗る。
大井松田ICでおり、丹沢湖を抜け、西丹沢自然教室の駐車場に着いたのは 6:00ちょっと前のことだった。
私の他、1台の車が駐車しており、その後も2台ほど入ってくる。
しばし車の中で朝食を取ったり、装備を整えて時間を過ごす。
西丹沢自然教室には登山届のポストがあり、登山届を投函する。
6:20にゴーラ沢に続く登山口に向かう。
キャンプ場の間を抜ける舗装路を10分ほど歩き、登山口についた頃には空は白々と明けてきていた。
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そこから、沢沿いに続く登山道を登りだす。道は細いが比較的歩きやすい。
落ち葉が敷きつめられた登山道の感触を確かめながら、黙々と歩く。
今回、3つのアイテムのテストも兼ねていた。
・LEKIのトレッキングポール
 →ついに購入。WILD1にて ¥15,000ほどで購入。その使い勝手は?
・カメラ付携帯D505i
 →画質はDSC-F707よりは落ちるが、HP用ならば山行使用に耐えうるのか?
・TEIJINの速乾性シャツ
 →普通の綿+ポリエステルだと、汗でビショビショになってしまう。どれだけ快適なのか?
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振り返ると、畦ヶ丸にも日が当たりだした。
南西に広がる山々を撮影している頃、若いカップルの登山者に追い越される。
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程なく沢に出くわした。ゴーラ沢出合だ。木製の橋を渡り、檜洞丸に続く尾根に取り付く。
先ほどとはうって変わって…急斜面の岩場が現れた。
岩場がもろく、かなり難易度は高い。
所々岩にしがみつかないとクリア出来ない箇所もある。
標高も徐々に上がり畦ヶ丸をはじめ山並みが見えるようになって来たが、登山路周辺の木々に阻まれて眺望が良くない。
畦ヶ丸の向こうには、富士山が顔を出し始めたというのに…。
気づいたのだが…花崗岩質の白い岩が多く、所々登山路は白い道になっている。
後ろを振り返り富士山の具合を確かめながら、左前方に目指す檜洞丸・熊笹ノ峰をとらえ、黙々と登る。
程なく進むと、展望園地に到着した。
登山口より 2時間経過した、8:30のことである。
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ここからは、富士山と西丹沢の山々の景観が楽しめる。
今まで山登りをしてきて、初めて富士山の全体がはっきり見えた。
私が個人的に思っているだけなのだが…富士山は登るより、眺める山なのかなあ…と。
(反対される方々も、多いとは思いますが…スミマセン)
あまりゆっくりしていると、後々のスケジュールに響くので、数枚撮影後、登山路に戻った。
岩がゴロゴロしている道をひたすら登る。
こういうところでは、トレッキングポールの有り難味を感じる。
いつもより膝への負担が少ない気がする。
檜洞丸まで0.8kmという地点に、テーブルがあった。
9:40のことである。
ザックを降ろし、小休憩を取る。
日が高くなるにつれ、熊笹ノ峰の稜線が明るくなってくる。
ここからも、富士山がはっきり見え、裾野の方まで見渡せる。
速乾性シャツ(外見はジジシャツ(笑)、色はネイビー)の効果はあるようで、気温が低いせいもあるがシャツ内の汗の残留が極端に少ない。
汗を吸っては外に出しているようだ。
おかげで肌は比較的サラサラだが、重ね着しているフリースは汗で湿っている。
今回、シャツの上にはフリースのハイネック、フリースの上着、更に防水ジャケット(いわゆるカッパ)で挑んだが、登り始めて少ししてカッパは脱いでしまった。
歩いていると、それでも暑いくらいだ。
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汗も引いたので、再び歩き出す。ここからは木道をひたすら歩く。
檜洞丸の尾根に取り付いても、なお木道が続く。
ブナの木を数カット撮影しながら、山頂を目指す。
もう、間もなく檜洞丸だ。足取りも軽い。
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小高い丘を登りきり、目の前に広場が現れると、檜洞丸山頂である。
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10:30のことである。標高1601m地点だ。
始めのうち山頂は私一人だったが、3人ほど上がってきた。
山頂の広場は広いので、皆めいめいに休憩している。
私も富士山に面したテーブルに座り、タバコをふかす。
ここら辺は、携帯の電波が届くみたいだ。
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30分ほど、ゆっくりして、犬越路に向けて出発する。
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山頂から熊笹ノ峰方面へ少し下りると…すばらしいビューポイントが現れる。
西丹沢の山々と富士山、そして南アルプス…すばらしい~。
本日一番の眺めに、しばし我を忘れてたたずむ。
思い切って西丹沢に足を伸ばして本当に良かった…と素直に思う。
夕暮れもきれいだろうなあ~と思いつつも、そこまで居たら泊まりになってしまう。
惜しみつつも、この場を離れる。
熊笹ノ峰へと続く尾根道は、えらい事になっている。
まともに下りれない。
日が当たる尾根道は、霜柱も溶け…グチャグチャな箇所もある。
檜洞丸に登っているところもそうだったが、地面が凍っている箇所もあり、ポールも刺さらない。
5cm以上もある霜柱が登山路いっぱいに成長しているが、サクサクと踏みしめる感触が気持ち良かったりする(笑)
ふと後ろを振り返ると、蛭ヶ岳が見える。
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熊笹ノ峰と言うだけあって、尾根道には笹原が広がる。
日の当たる場所は笹原で熱がこもって暑いくらいだ。時折吹き抜ける風が涼しいくらいだ。
身体がポカポカしてくる。
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尾根の木々の枝の張り方が、この場所の環境の厳しさを物語っている。
しばらく続く登り下りの繰り返しに、膝が笑い出してくる。
下りもトレッキングポールは重宝する。
膝への負担は少なくて済むが、その分、腕に分散していることを忘れていた(笑)
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やがて、神ノ川橋方面への分岐が現れた。犬越路に向けて、ひたすら進む。
はるか後ろの方から熊除けの鈴が聞こえる。
誰かがトレースしてくる。
何故か、追われると逃げたくなるのが心情で(笑)この区間、休憩らしい休憩は取らず、ひたすら後続を引き離すべく進む。
やがて、犬越路とその向こうに大室山が見えて来た。
もろい岩場を、ポール頼りに下りていく。
鎖場はいたるところにあり、ロッククライミングばりのコースだ。
こちらが鎖場でまごまごしていると、鈴の音が近づいてくるのがわかる。
焦りは禁物だが、何だかいやな感じ(笑)
だいぶ、犬越路に近づいてきた。
犬越路避難小屋が視界に入りつつも、なかなか目的地には着かない。
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そうこうしている内に、標高が下がったこともあり、熊笹の背丈が高くなってきた。
笹をかき分けながら進む。
こうなると、ポールが笹に取られて歩きづらい。
身体を返しながら、臆せずに進む。
この頃には、後続の鈴の音は聞こえなくなっていた。
やがて、犬越路トンネルに抜ける分岐に出た。
ここまで来れば、避難小屋は間もなくだ。
笹原を踊るようにして抜けると、その先には犬越路避難小屋が待ち構えていた。
13:15、ようやく昼食にありつける…。
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せっかくなので避難小屋を覗いてみる事にした。
思いのほか広いなあ…手前で光っているのはテーブル。
布団も用意されているので、緊急で泊まるには充分だ。(利用ノートに記入するらしい)
野宿よりは、はるかに良い。
いつか利用する時もあるかもしれない。
日差しも良いので、テーブルで昼食を取る事にした。
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今回はカップラーメンなので(笑)お湯を沸かす。
ちょうど後続のおじさんがたどり着き、更にもう一人到着。
朝から、しょっちゅう聞こえる「ドーン」という音の話題になった。
その音は丹沢に来るようになってから、気にはなっていたのだが…雷か、工事の音かと思っていた。
おじさんが言うには、自衛隊の砲声じゃないか?ということで、その説で落ち着いた。
確かに裾野は見えるし、これだけ近ければ聞こえるかもしれない。
それに単発ではないし、更に昼時は聞こえない(笑)
食後コーヒーを楽しんでいる間に、おじさん達は用木沢出合方面に下りて行った。
14:00頃、私も用木沢出合への道へと進む。
用木沢出合へは…とんでもない笹の林に分け入る。
暫くガサガサいわせながら笹の葉をかき分け進むと、やがて枯れた沢沿いの道になった。
沢沿いの道は岩がゴロゴロしていて、とても歩きにくい。
登ってくる登山者とすれ違う…小屋泊まりなのか?
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そのうち…沢沿いの斜面を抜ける道になる。
白いレキの小道はかなりもろく、踏み外すと数m下の沢へ転落だ。
ここら辺も事故多発ポイントらしい…看板がそう言っている。
沢の水は澄んでいて、きれいだ。
しばらくすると、広い河原に道が続いている。
砂が白いので、まるで雪のようだ。
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何度か沢を渡っては、反対の岸を歩き続ける。
思わず沢の水で顔を洗ってしまった(笑)生き返る。
それまで小さな木橋であったのだが、立派な橋が現れてくるようになった。
もう少しで…用木沢出合なのか?
振り返ると、今まで居た山々が傾きかけた日に照らされて明るく見える。
しかし沢沿いに進む私がいる場所はすでに日陰に入り、肌寒い空気だ。
人気のない沢を黙々と下りていると、ひと際大きい橋が出てきた。
大きな砂防ダムを巻くように橋が伸びている。
向こう岸に着くと、ちょっと先に車が駐車しているのが見えた。
一気に疲れが心地よいものに変わっていく。
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15:15、用木沢出合に到着!後は舗装路を西丹沢自然教室まで歩く…。
賞味30分くらいだろうか?
重宝したポールを収容し、フラフラの足取りながら一歩一歩進む。
先ほどの用木沢出合に停めてあった車が、次々に丹沢湖方面に帰っていく。
明るいところで見渡してみると…かなり規模の大きいキャンプ場であった。
コテージのようなものも何棟もある。
夏は結構にぎわうんだろうか?
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15:45、ようやく西丹沢自然教室に到着。駐車場はほぼ満車の状態だった。
(畦ヶ丸に向った人もいるようだ)
今回はすばらしい眺望に恵まれ、充足感に満たされた登山だった。
帰りの国道の渋滞には閉口だが、すごく有意義だった。
西丹沢にも日帰りコースが取れるんだ。
まだまだ…奥が深い。

今回の教訓)
トレッキングポールは重宝するが、その分、腕へも負担はかかるようだ。
D505iの電池は撮影しながらでも充分もった。画質はご覧の通り、HP上では充分か…。
速乾性シャツは、実用的!かなり快適に登山が出来る。
こうなるとレイヤードの生地にもこだわるべきか。
今回は水1.0L+サプリ系0.5Lと少なめだった。
昼食に水を使い、且つ暖かい日は多めに持った方が良い。

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【過去記事】2003年 丹沢山~蛭ヶ岳 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:丹沢山~蛭ヶ岳(神奈川県)
行動日:2003年 11月 18日(火)
天気:晴れ 時々 曇り
コースタイム/コース:
 塩水橋 04:15/林道
 堂平登山口 06:30
 丹沢山 09:00
 蛭ヶ岳 11:10
 不動ノ峰休憩所 12:50~13:30
 丹沢山 14:10
 塩水橋 17:00/林道
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蛭ヶ岳(1672.7m)/鬼ヶ岩岳より
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天気予報では小春日和だというので、急遽休みを入れて、未だ足を踏み入れていない丹沢山塊最高峰の蛭ヶ岳を目指す事とし、堂平より丹沢山経由で蛭ヶ岳に挑む。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

往路だけで軽く5時間はかかると思われるので、3:30に家を出て宮ケ瀬登山届ポストに登山届を投函、いつもの塩水橋の路肩に着いたのは、4:00を回った頃。
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真っ暗闇の中、車内の明かりを頼りに身支度を整え、塩水橋ゲートをくぐったのは 4:15。
舗装されているものの、漆黒の闇の中、ヘッドランプひとつ林道を登っていく。
かなりコワイ。
吐く息は真っ白だが、緊張している為か寒さを感じない。
ガードレールの反射板(オレンジの丸いの)をたどって、行き先を見極める。
時折シカやイタチ類の目が反射して、ドキッとしつつも 5:30頃、堂平登山口に到着。
遠くに街の明かりが見えるが、東の空は濃い紫に変わりつつある。
今回の目的として、蛭ヶ岳に登頂することの他、時間帯が早いこともあり、日出の撮影も行おうと考えていた。
ただし、ロケーションとして考えていたのは、天王寺尾根~丹沢山間のガレ場であった。
堂平登山口より、そのガレ場までは…1時間半近くかかる。
手早くi-modeで丹沢付近の日出時刻を確認する。6:17くらいだったか…。
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ガレ場まで間に合わないと判断し、登山口の傍らにある雨量計小屋の敷地で日出を待つことに。
さすがに動いていないと、めちゃめちゃ寒い。
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雲がピンク色に輝き出し、やがて真っ赤な太陽が顔を出した。
ここでトラブル発生!
日の出に慌て…三脚をひっくり返す。
敷地のコンクリにガチャンと打ちつけた後、斜面へEOS7と共に転がっていく!?
声にならない叫びを上げ、三脚の脚を捕まえ、引き上げる。
幸いレンズは割れていなかったが…フィルタ取り付け部のネジのところが欠けてしまった(T_T)
徐々に登っていく太陽が、山間を照らし出し、丹沢の朝が始まる。
とても、さわやかな雰囲気であるが・・・先のトラブルにより、気分は超ブルー。
このまま、帰ろうかとも思った(笑)が、6:30に意を決して登山道へ踏み込む。
朝の日差しは森に入り、長い影を作る。
ここのところのケースでは、雲の中であったり、霧が立ち込める朝ばかりだったので、明るい森は不思議な光景だ。
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早朝ということもあり、シカの群れを多く見かける。
やがて、堂平のブナの森に踏み込む。
ブナの葉は全て落葉しており、フカフカの絨毯を踏みしめながら、一歩一歩登っていくと…ある光景に愕然とした。
「嘆きの谷」にて(私が、そう呼んでいる、天王寺尾根への取付き部分の手前)今まで気づかなかったが、放置されているガラス瓶が目立つ。それも、1本や2本ではない。
「何で、ここにガラス瓶あんだよ!」思わず叫んでしまった。
さすがに、拾って帰れる量ではなく…悲しいかな、そのままここを離れる。
このところの山歩きで、登山者が落としたゴミ(アメやチョコの包み紙)が気になって、今回は見つけたら、拾って行こう~なんて考えていたが…。
何もしなかった自分に後ろめたさを感じながら、ただ、ただ、ここを離れようとしている自分自身に腹立たしさを感じ、超ブルーに陥る。
黙々と歩を進め、間もなく天王寺尾根に着く頃、北側斜面に霜柱を見つける。
ぱっと見、雪かと思った。
その光景に、少し癒される。
7:40、天王寺尾根に到着。見慣れた尾根道にほっとする。
日の当たる尾根道を早歩きで進む。ガレ場はもうすぐだ!
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久々に晴れたガレ場に到着。8:00のことだ。
このところ天気運に恵まれてなかったし、さっきまでのブルーな気分は少し和らぐ。
お腹も減ったし、朝食がてら、ここでしばらく撮影することにした。
雲が湧き上がる様子が、目の前に広がり、何か大いなる力を全身に感じる。
30分ほど、雲の流れに見とれつつ、無心にシャッターを切る。
はっと我に返り、山頂を目指して、再び登り始める。
山頂に近づくにつれ、辺りは雲の中…。
木道を越え、辿り着いた丹沢山の尾根道は、前回同様の乳白色の世界だった。
9:00頃、丹沢山頂みやま山荘に到着!
すでに先客2人がいたが、うち一人は私が来た宮ケ瀬方面へ、残りの一人はテーブルで湯を沸かし始めた。
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私は5分ほど休憩すると「お先に失礼します~」と蛭ヶ岳方面に進む。
一気に丹沢山西斜面を下る。私にとっては未知の領域だ。
行く手は雲に遮られており、どのように道が続いているのか、目指す蛭ヶ岳はどこなのかもわからない。
目新しい光景に、わくわくしながら歩みを進める。
しかし、それとは裏腹に尾根道の情景はうら寂しさを増していく。
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ただ、一面のクマザサの中に、一人分の道が尾根伝いに続く。
尾根道には強風が吹きぬけ、身体があおられる。
谷を見ると、眼下の山々は日が当たり、今自分がいる場所との、あまりの相違に笑ってしまうほどだ。
尾根を雲が次々と流れ、雲の中にいるんだなあ~と実感する。
いくつ峰を登って、下ったろうか?
途中、またまた三脚をひっくり返し、EOS7も泥だらけだ…(T_T)
吹きすさぶ風の中、だんだんと思考が麻痺してくる。
自分がどの辺りにいるのだろうかとか…どれくらい歩いたのかとか…何も考えられなくなって来た。
ただ、地球上の1点と化した自分が…ゆっくりとゆっくりと移動しているだけ。
まるで、その様は…クマやシカと相違ないような感じがする。
こういった感覚が得られるのも、こういう環境に放り出された賜物なのだろう。
ひとつ峰を登っている途中、休憩所と表示された小屋(半壊しているが)に差し掛かった。
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我に返って、小屋に入りザックをおろす。冷たくなった手でタバコを取り出すと火を点けた。
人間に戻ったような気がした。
地図を取り出し、この場所が不動ノ峰の休憩所であることを知る。
丹沢山~棚沢ノ頭の中間地点だ。
時計を見ると9:50であった。45分歩いても…棚沢ノ頭には到着しなかった。
この天候もあるだろうが、ペースが落ちていることを思い知る。
しかしながら、足が重いとか、息が続かないとか、身体的な疲労は感じない。
むしろ消耗しているのは、精神的なところだ。
そう思う。
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休憩所の裏には小さな不動明王が祭られている。私もこの山行の無事を祈願してきた。
再び、歩き出す。
ちょっと登ると不動ノ峰の道標が現れた。
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尾根伝いに登っては下り…。
相変わらず、クマザサの道に所々潅木があるだけで、視界は悪いし、風は強い。
鼻水が真横に飛んでいくほどの(笑)強い風だ。
更に尾根の左右は、切り立った崖…集中力を切らさないように努める。
10:20頃、棚沢ノ頭に到着。あと、40~50分歩けば蛭ヶ岳と思われる。
どうせ、景色は望めないだろうから、ピークに立ったら、さっさと下山して…。
さっきの不動ノ峰休憩所で昼食にしよう…そう考えた。
心なしか、早足で尾根道を進む。
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やがて目の前に大きな岩が現れた。鬼ヶ岩だ。
晴れていれば、眺望は良いのだろうが…見えるのは、岩場の下に続く尾根道のみ。
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岩場の傾斜にちょっと腰が引けたが、意を決して下る。
ここから踏み外して落ちたら…恐らく数日後の新聞記事に小さく載ることであろう。
強風にあおられつつ、クマザサの尾根道に降り立つ。
きっと目の前にある山が蛭ヶ岳だろう。
地図上そうだと思うが、何より直感的にそう思った。
しかし、山頂は更に雲に覆われ、登れど登れど、蛭ヶ岳山頂が見えない。
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階段を登っている時、ふと、建物が見えた。山荘だ!
階段の途中には、木の札がぶら下がっており…。
「がんばったね。犬」と書かれていた。
犬?
記憶をたどって…確か丹沢の山小屋で犬がいる所があったような…???
半信半疑で山荘の敷地に入ると、本当に犬がいた(笑)
中に入って休みたいのはヤマヤマであったが…暖まったが最後、動けなくなりそうな気がして、黙々と頂上まで進む。
蛭ヶ岳山頂に到着!1672.7m!!
山頂のテーブルには、先客がいた。
追ってもう一人おじさんが登ってきた。11:10のことである。
真っ白い視界の中、先客のお兄さんは、ひたすら雲が抜けるのを待っている。
おじさんは、写真を撮ると、いつの間にかいなくなっていた。
もしかしたら山荘に入っていったのかもしれない。
お兄さんと私は、この天気を恨みながら、時折雲の切れ間に見える、丹沢山塊に見入っていた。
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待っていると、少しずつ…少しずつ…見晴らしが良くなっていく。
時間が経つのを忘れ、ひたすらシャッターチャンスを待つ。
遠くは見通せないが、周りの山々は見渡せる状況になった。
思いがけない現状に、有り難味を感じ得ずにはいられなかった。
ありがとう~って叫びたい感じだ!
山荘前のベンチに腰かけ、三ッ峰越しに宮ケ瀬湖を眺めながら、ザックをおろし休憩する。
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傍らに犬が寄ってきて、私の様子をうかがっている。
まるで労ってくれているようで(笑)蛭ヶ岳まで、がんばってやって来て本当に良かった!
そう、素直に感じた。
山頂についてから1本フィルムを撮りきり、今回準備したフィルム2本、全てを消費した。
気づいたら…12:00になっていた。
いかんいかん、時間を取り過ぎた。
犬に「また来るね~」と別れを告げ、足早に下る。
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もと来た道は、少し雲も晴れ、山々が連なっている様子が何となくわかる。
鬼ヶ岩下ガレ場をロッククライミングのごとくよじ登り、ストック代わりに三脚をついて、ハイペースで進む。
振り返ると、蛭ヶ岳がきれいに見える。
やがて、視界には、塔ノ岳や竜ヶ馬場、大山まで見えてきた。
50分ほど経って、不動ノ峰の休憩所が見えてきた。
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幸い先客は無く、早速ストーブを出してお湯を沸かす。
今回はココアの他にインスタント味噌汁があるのだ。
さすがに空腹だったので、おにぎり3個を味噌汁で流し込む。
小屋の板壁が壊れており、風除けにはならなかったので…せっかく温まった身体が、みるみる冷えてくる。
歩いている方が良いなあと思い、13:30下山再開。
あまりゆっくりしていると、塩水橋にたどり着く前に日没になってしまう。
急がねば。
すでに歩くことのみに思考は集中し、その他のことは停止したように感じる。
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半ば根性のみで、斜面を駆け上がると…丹沢山頂に到着。14:10のことである。
この後、計算上では2時間半かかりそうだ…。日が落ちるなあ。
休む間もなく、ノンストップで天王寺尾根へと向かう。
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午後になり、日差しも弱まった薄曇の森をひたすら下る。
ストック代わりにしていた三脚の石突は取れてなくなっていた。
よく見ると…脚も曲がっている。
用途外の使い方をしているのだ、当然といえば当然の報いである。(T.T)
14:45頃、天王寺尾根~堂平分岐点に到着。
時間的に早い方へと、天王寺尾根を、そのまま下る。
見慣れた登山路だけに、脇目も振らずどんどん進むこと1時間半、ようやく尾根道から沢方面に下りる分岐点に到着。
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通りしな、モミジの色づきを発見。
良く見ると前回苦労した札掛方面の尾根には、紅葉が見受けられる。
今回は紅葉は諦めていただけに、来年、紅葉を撮るなら、こっちのコースに回ろうと思った。
17:00ちょい前、辺りが暗くなりかける頃、塩水橋に到着。
こうして、いつもながらハードな山登りは幕を閉じた。

今回の教訓)
・やっぱりストック買おう~
・携帯の電源切っとかなきゃ(つながんないとこではね)
 →今回、入れっぱで、下りて来たらバッテリーなかった(T_T)
  …って壊れかけているかもしれない。(水没歴有り)
   予備も用意しなきゃね。
・三脚も買わなきゃ…。
・レンズは、そのうち保障で直そう…。
・機能素材のシャツとか、衣類を考えよう。
 →汗でグショグショだった(T_T)
・積雪するまでは、ピークへはなしかな?

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【過去記事】2003年 高取山~仏果山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:高取山~仏果山(神奈川県)
行動日:2003年 11月 08日(土)
天気:曇り
コースタイム/コース:
 大棚沢広場 11:50/仏果山登山道
 高取山仏果山分岐
 仏果山山頂 13:00~13:30
 高取山仏果山分岐 /仏果山登山道
 大棚沢広場 15:20
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仏果山(747.1m)/高取山仏果山分岐付近より
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先日、風邪で2日も会社を休んだ為、平日に休みを取って山に行く事に気が引けて、土曜日に登山計画を立てた。
あまり人のいる山に行かない私としては、珍しいコトだ。
丹沢山系で最高峰の蛭ヶ岳に登ろうと、登山届まで作成したのだが…前日、長女あやなさんが、一緒に行くと言い出し、急遽行き先を変更。
父娘初登山は、初級コースの高取山&仏果山となった。
昨年、ここに来た時、小学生が遠足で来ていたことを、
ふと思い出し、こっちの方が初級向きで、そこそこスリルがあって、何と言っても人が少ないだろうと推測。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

英ままにお弁当を作ってもらい、8:00過ぎ自宅を出発。
途中のコンビニで水・行動食を調達し、宮ヶ瀬湖畔の大棚沢駐車場に着いたのは、9:00頃。
さすがに、この季節は駐車場も混雑している。
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手早く準備して、はす向かいの仏果山登山口に向かったのは、9:15のこと。
登山口には、経路工事中の看板があった。
修復工事しているのだろうか?
今回、あやなさんは山歩きは初めて。ひょこひょことついて来る。
赤土の細い登山路を進むと、やがて階段が見えてくる。
スギの植林の中をクネクネした登山路が上へと続く。
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路肩を盛り返しているような箇所が点在する。
盛り土の上に小動物の足跡を多数発見し、しばし歩を止めて、足跡を観察。
今回、1.6L/2人の水を用意。思いのほか、今日は暖かく、汗がにじんでくる。
何組かの登山者に追い抜かれる。
昨年の色づきに比べ、今回は、まだ緑が目立つ。
今年の紅葉は…ちょっとピンぼけ気味かもしれない。
あやなさんはかなり元気で、ずっとしゃべりながら登っている。
道端で目に付いたキノコや、足跡や…学校のこととか、普段、無言で黙々と登っている私はちょっと不思議。
じっとしているよりも、身体を動かすことの方が好きな様で…。
階段などは、私よりも早く登って行く。
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宮ヶ瀬周辺は場所によって携帯の電波が届くので、途中英ままから応援のメッセージが入る。
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標高が少し上がり、植生が変わった。この辺りは、モミの木が多く見られる。
ここにはベンチがあるので、小休憩とする。
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早速モミの木の観察を始めるあやなさん。私は一服タイム。
10分ほど休憩した後、再び歩き出す。
前後には他の登山者の声が聞こえてくる。
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ちょい前に先程抜いていったおじさん3人組が近づく。何故か階段はたったか登って行く娘。
私は階段がキライなので(笑)娘の足を引っ張ってしまう…。
先行するおじさんとの距離は、なかなか詰まらない。
さあ、もうちょっとで尾根道の分岐点だ。
「ヤマヒル注意 春~秋」の立看板が出たら、もう分岐点だ。
分岐点に到達。
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更に高取山まで、500~600mあることを知り、ふくれるあやなさん(笑)
おなかが減ってきているらしい。
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少し色づいている高取山を目指し、狭い尾根道を進む。
愛川ふれあいの村方面との分岐点で、滝頭小(?)の引率の先生に会う。
どうやら、ハイキングに来ているらしい…。
山頂付近がざわついている…嫌な予感がする。
11:00、高取山山頂に到着。
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当初、ここで昼食の予定であったが…予想通り、山頂は小学生で埋まっている。
(オイオイ、土曜日なのに~)
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お腹へってるのに~ぐびっとヤケ飲みのあやなさんである(苦笑)
仏果山の方が人気が少ないと判断し、仏果山山頂で昼食を取ることにする。
来た道を引き返す。
すれ違いざま、さらに小学生が登って来る。
また、途中会った、おばさん3人組に再会した。
おばさん達は、先に仏果山に行った後、高取山で休憩しようと思ったらしい。
高取山山頂が混雑していることを告げ、おばさん達と別れる。
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目指す仏果山まで 1.2kmほど…。山頂までの道は、更に細く…所々にガレ場がある。
この季節は、落ち葉も敷き詰められているので、注意が必要だ。
3回ほどか…上り下りを繰り返すと、仏果山山頂直下に取り付く。
傍らに目をやると、モミジは、部分的に紅葉している。
ロープを伝い…木橋を越えたら…仏果山山頂だ。
12:00頃、仏果山山頂到着。
いったんアンテナ塔に登って見るも、遠くはガスがかかっており、彼方までは見通せず。
お腹へった~と主張するあやなさんの為に、展望もそこそこ(写真すら撮ってない)ベンチに陣取る。
すでに先客で半分以上のテーブル・ベンチは埋まっている。
いずれもミドル以上で、ファミリーの組は少ない。
中には、なめてんのか?ルックのファミリーも居たが…どうやら愛川ふれあいの村方面から来たらしい。
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早速、お弁当を広げる。二人とも空腹だったので…箸は止まらない。
空気は冷たいので、ガスストーブでお湯を沸かし、食後ココアを入れる。
陽射しはあるものの、空気は若干冷たい。
身体も温まったことで、13:00下山することにした。
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仏果山山頂 747.1m。記念撮影だ!
さあ、下山としよう!
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下りは結構危険。あやなさんも何度か滑りそうになった。
一見、重力に身を任せ、楽なような下りでも…。
落ち葉の下には石ころがあり、知らずに足を取られる事もしばしば。
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登りは元気だったあやなさんも、口数が減ってくる。
ようやく、往路に休んだテーブルの所まで、戻って来た。
しばし、休憩を取る。
そろそろ下山のピークでもあり、前後には他の登山者の声が聞こえる。
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ブナの根元に生えている苔を観察中のあやなさん。ふかふかのじゅうたんのようだ?
この日、あやなさんが念入りに観察していたのはブナの木とモミジの葉っぱ。
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だいぶ日も傾いてきた…とはいえ、まだ 14:00過ぎだ。
口数の少ないあやなさんに変わり、「がんばれ、がんばれ、あと少し」と声をかける。
すでに県道の車の音は近くに聞こえ、宮ヶ瀬湖の湖面がキラキラ輝くのが見える。
二人とも自然と歩くスピードが速まる。
そのスピードは後続のおばさんを引き離し、先行するおじさんに追いつくほどの勢い(笑)
あやなは黙々とついて来る。
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14:45、目の前がぱ~っと明るくなった。1時間45分かけて仏果山より下山した。
ゴールだ!宮ヶ瀬湖が目の前に広がる。
下にたどり着いて、気が楽になったのか?あやなさんが「カメラ貸して~」と言う。
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ずっとぶら下げていたDSC-F707を貸す。
大棚沢の駐車場にはモミジやツバキがあるが、まだ、早いようだ。
昨年、ここに訪れた時は…モミジは真っ赤だった。
宮ヶ瀬の湖面は静かに揺れ、傾きかけた陽射しがキラキラと反射してきた。
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娘と山を登るのが、こんなに早く訪れるなんて思いもしなかった。
本人はまだまだ余裕らしい…。
味噌汁持って、山に登ってテントに泊まるのが目下の目標らしい。ほほ~頼もしい限りだ。
また、行く機会もあるだろうか…(笑)

今回の教訓)
子供用の登山靴って、ないのかな?
ザックも買わなきゃ。

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【過去記事】2003年 丹沢山~塔ノ岳 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:丹沢山(神奈川県)
行動日:2003年 10月 15日(水)
天気:曇り
コースタイム/コース:
 塩水橋 07:00/林道
 堂平登山口 08:30
 丹沢山頂 10:30
 塔ノ岳 12:30~13:20
 新大日茶屋 14:00
 本谷橋 16:25/林道
 塩水橋 16:50
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塔ノ岳(1491m)/天王寺尾根・丹沢山取付きより
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序盤の天候は望めなかったので、堂平まで塩水林道で登り、堂平登山口より丹沢山頂へ。
その後、塔ノ岳を回って札掛方面に下り、上ノ丸より本谷橋経由で塩水橋に戻るプランを考えていた。
地図上の計算では約7時間歩く事になる。
日の短い今では、結構デンジャラスかも。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

本当に久しぶりに休みを取って、丹沢に出かけた。
6月末以来だから、4ヶ月近く山に登っていなかったわけで…。
ここのところ天気予報と仕事のスケジュールのにらめっこが続いていた。
前の晩も雨が降っていたのだが、この日以外が行けそうもなかったので、午後からの回復を祈って塩水橋へ向かった。
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6:40に塩水橋に到着。本日から渓流釣りは禁漁期間に入る為、路肩の先客はいなかった。
登山靴に履き替え、7:00に塩水林道のゲートをくぐる。
時折、工事車両が上ってくる。
冬の頃よりにぎやかだ。
今朝方までの雨により、林道は水が流れている。
標高が上がってくるにつれ、霧というか雲の中に入り、霧雨の中を黙々と歩く。
山間には雲が流れる。
雨量計の小屋が出てくると、堂平の登山口だ。
ほぼ予定通り、1時間半程度で到着した。
ここでザックを降ろし、タバコ休憩とする。
傍らを見ると、いつの間にか登山者のおじさんがいた。
もう一本タバコを吸っている間に、おじさんは登山口より登って行った。
約5分マージンを取って、私も登山路に踏み込む。
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森に入った瞬間、「ようこそ…」そう言われた気がする。
堂平のブナの森は少し黄色身がかかっている。
よく整備された登山路を進むと、程なく山肌むき出しの崩壊地にたどり着く。
「嘆きの谷」そう命名した場所だ。
冬に見た際は見ているそばからガラガラ崩れていたのだが、今は下草も生え、雨で濡れそぼっているせいか、そんなに崩れ落ちてくる気配がない。
砂防ダムを渡って天王寺尾根方面に取り付くと、ここから傾斜がきつくなる。
ヒーヒー言いながら登っていると、傍らで何かの気配を感じる。
視線をそっちへ向けると、金色の毛玉がそそくさと森の奥に逃げていくのが見えた。
イタチかな?一瞬立ち止まったので、物音を立てないよう静かにカメラを構える。
F707の190mm程度では、小さくしか映らないが…プレビューを 5倍までアップすると、顔がこっちを向いているのがわかる。
03101514.JPG
本日貴重な1枚!
時折聞こえるシカの声に、周りを探索しつつ…。
白い森の中、耳をすますと…いろいろな物音が聞こえる。
いかんいかん、これでは山頂に着くのが予定より遅れてしまう。
(いつもと一緒じゃん)と、思い直して登る。
先行しているおじさんの足跡を見ると、かなり近づきつつある…。
そう気づく頃、おじさんが一休みしていた。
「お先しま~す」と追い越す。
さすがに、この勾配は皆つらいよな…。バランス崩したら、谷にまっ逆さまだし。
やがて木の階段が見えてくると…天王寺尾根は間もなくだ。
9:45、天王寺尾根・堂平分岐点に到着。
まずまずのペース。
このまま行けば、1時間弱で丹沢山頂に着く。
今度は私が先行している立場上、何故か後ろが気になる。
尾根道は比較的平坦で歩きやすいので、先ほどまでの疲労を、ここで回復する。
15分ほどすると、丹沢山尾根への取り付き(鎖場)が姿を現す。
晴れていれば見晴らしが良いのに…数m先が真っ白で見えない。
前回もこんな感じだった…。
あいにくの天候を恨みつつ、先へ進む。
ガレ場を越え、丹沢山に取り付く…。
振り返ると、おじさんが鎖場にたどり着いた頃だった。
尾根手前のブナ森を進む。
ここは、登山道もえぐれており、結構歩きにくい。
遠くにシカの声が聞こえる。
やがて、木道が見えてきた。
ここまで来れば、丹沢山頂はもうちょっとだ。
雨で濡れた木道は恐ろしいほど滑る。何度となくひっくり返りそうになる。
コツをつかんだ頃、ようやく尾根道に出た。
とても…晴れてくれるような気がしない。
山頂付近は、かなり寒いし、視界は悪い。クマザサがうっそうとしている。
赤く色付いているのは…ミツバツツジかな?何だろう?
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10:30を回った頃、丹沢山頂 みやま山荘に到着した。
屋外のテーブルには先客はなかった。ザックを降ろし、水分補給とタバコ休憩。
しばらくすると、共に登ったおじさんが到着。
お互い休憩しながら、この天候のことを話す。
スニッカーズで少々カロリー補給し、11:00頃、塔ノ岳に向かうことにする。
「先進みますんで、失礼しま~す」
「お気をつけて~」
おじさんと別れ、私にとっては未知なる尾根道を進む。
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クマザサの林に続く尾根道を下る。
シカの声が響く他は、小鳥のさえずりと、時折聞こえる地響きのような音…恐らく雷だろうか、それとも、ふもとの工事の音なのか・・・いや、自衛隊の砲声か?
塔ノ岳周辺ではシカが多いと聞く。
確かにもやの向こうに、逃げていくシカの群れを良く見かけるようになった。
こちらが気づくより早く…鳴き声をあげて逃げていく…。
もやの中で幻想的な風景が広がる。
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やがて竜ヶ馬場に到着。晴れていれば…ここも眺望が良いところらしい。
今は朝もやの中の高原のようだ。遠くにシカの群れも見受けられる。
竜ヶ馬場にて、10分ほど休憩した後、再び歩き出す。
所々木道もあり、比較的整備された尾根道だ。
しかし、滑らないように気をつけなくては。
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苔生した雰囲気は、どことなく暖かみを感じ、生命感にあふれる。神秘的な趣きだ。
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この場所で、自分が一人だけではないことを感じる。丹沢はこういうところが好きだ。
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尾根道の傍らに、親子シカがこっちをうかがっている。
彼女らは、人間に動じていない。黙ってこっちを見ている。
何だか、こっちが申し訳なくて…。
「こんにちは、ちょっと通らせてもらうよ~」と声をかけてしまった(笑)
3人ほど登山者にすれちがったが…それよりも出会ったシカの数の方が、数倍多い。
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尾根道に雄シカが仁王立ちしていたのには、さすがにびっくりした。
通り過ぎる際も、手が触れるくらいの距離で、彼は、ジーっとこちらを見ていた。
おもむろに現れた、一直線に続く階段を登りきると…。
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塔ノ岳山頂、尊仏山荘だ。12:30のことである。
しかし、何も見えない…。山小屋の周りにはシカがたむろしている。
まるで夜のコンビニ周辺に集まる若者のようだ(笑)
丹沢山頂と異なり、風をさえぎる木立が余りない為、体感温度は極めて低い。
その寒空の下、3人の先客が湯を沸かして食事を取っている。
山小屋へとも思ったが、たどり着いたばかりなので、冷たい風は、むしろ気持ちがいい。
私はコンビニおにぎりがメインであったが、ホットココアでも入れようと思い、同様にガスストーブでお湯を沸かし始める。
ストーブの熱で暖を取りながら、雲が抜けるかと待っていたが、一向に気配はない。
そろそろ体が冷えてきたので、下山の途につくことにしたのが、13:20のことである。
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新大日茶屋方面への分岐を過ぎると、ガレ場の尾根道が細く続く…。
両側は傾斜というよりは、切り立った崖だ。
相変わらず、白い雲の中で視界は悪い。足を踏み外したら、間違いなく…重症は免れない。
しかし不思議な感じの登山路だ…。このまま、どこまでも続くような気がする。
木々のトンネルを抜けるようにして、木ノ又小屋を通過。
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新大日茶屋(休業中)に差し掛かったのは、14:00のこと。
すでに、こちらの尾根は人気がない。
道標がなければ、本当に、このルートで良いのかと不安になる。
新大日茶屋より札掛方面、上ノ丸への分岐へ入る。
札掛までは5.4kmということは、本谷橋への分岐までは 4km程度か?
地図とにらめっこしながら歩く。
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地図上では緩やかな下りが続く尾根道ではあるが、いかんせんマイナーなコースだろうか?
登山者の踏跡はなく、落ち葉が積もった…というよりは、腐葉土と化している。
所々に道標があるが、1kmがひたすら長く感じられる。
今回、この区間がいちばん心細かった。
コース自体に経験がないこと、人気がないこと、本谷橋に日没までに着けるのか…。
不安要素は多い。
いっそ尾根道をそれて、沢伝いに下るか…。
そんな無謀なことを思いつくのも、疲労から来る判断力の欠如だろう。
塔ノ岳を下ってこの方、ずっと地図を握り締めていた。
コンパスと地図、時折見える山並みより、大体の現在位置を割り出す。
自分の居場所がわからない心細さが、ぞわぞわと湧き上がってくる。
雲から抜けたと思いきや、薄暗い森は果てなく続く…。
ザックの重みで肩が上がらない。
今回持ち込んだ 0.9L×2本、0.5L×1本の飲料水は、この気温の低さで半分も消費していない。
ただのウェイトと化して、肩に食い込む。
こうなると…天候の悪さで殆ど使用しなかったEOS-7も恨めしく感じる。
…いったい、自分は何なんだ?
逃げ惑う小動物のように、ただ山を転がり落ちていく気分だ。
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いったん尾根を外れて札掛方面に下ると、上ノ丸の分岐点だ。
1時間半歩いて、そろそろじゃないか~と思う頃、分岐点に出た。
まるで、けもの道のような…しかも、道標がない。
コンパスを確認すると、分岐方向は間違っていない。
先に続く道も、地図通りの地形を越えて行っている。
ある意味、カケになるが…自分の感覚を信じることにした。
神奈川県民の森内の遊歩道は、地図以外にもあるらしいのだが、遊歩道というよりは、林業作業道のような雰囲気をかもし出している。
更に不安は募る。時折現れるマーカー(杭)を頼りに進む。
やがて、森林保安柵に行く手を阻まれた。
柵の向こうに道は続いている。
しかし柵の周りに道が続いている気配がない。
タバコをふかし考える。
保安柵にはイノシシなどがやったのか、20cmほど金網がめくれ上がっていた。
柵伝いに歩くか、乗り越えるか…。
意を決しザックを向こう側に投げると、一気に乗り越えた。
どこにそんな体力が残っていたのか…(笑)
少々の罪悪感と、増す不安感を振り払うように、歩みを進める。
ちょっとして下を見ると…保安柵沿いに登山路が進んでいた…(汗)
50mほど下れば、道はあったのだ。
(でも、あの状況で、向こうに道が続いていれば…ふつーやるよなあ~)
だいぶ気が楽になったところで、あとは時間との戦いだ。
このところの天候不順のせいか、登山路は土砂崩れで崩れたり、ガレ場になっている。
遠くに沢の音が聞こえる。
一気に下りたい衝動を抑え、歩き続ける。
地図上、予想現在地からは…そのうち沢を外れ、上ノ丸を回り込んだところで、本谷川が近づいてくるはず。
やがて、キュウハ沢への道標が現れた。
恐らくあの分岐では間違っていないと確信した。
最悪キュウハ沢に出たとしても、林道で戻ることが出来る。
更に気が楽になってくる。
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しかしながら登山路が崩れているのが目立つ。
木橋が落ちている箇所もあった。かなりデンジャラスだ。
再び聞こえ出した水音が更に大きくなる…。もうすぐだ。
足元に注意しながら…天王寺尾根を横目に見ながら…。
03101588.JPG
ひたすら下りると、目の前に本谷川が現れた。しかし、どうやって、この川を渡るのか…。
この川を歩いて渡るのは自殺行為だと判断。
思いのほか、流れは急だ。
地図をよ~く見ると、以前登った本谷橋登山口より、数百m上流の地点が現在地となる。
03101590.JPG
気を取り直して、川沿いに進むと…見慣れた本谷橋のつり橋が見えてきた。
良かった、良かった。安堵のもと林道に合流したのは、16:25のことである。
ここから塩水橋までは、舗装された林道を20分ほど歩く。
見慣れた風景に居心地の良さを感じながら、ぶらぶらと歩く。
16:50 ようやく、塩水橋にたどり着いた。
こうして、久々の割には…ハードな登山は終了した。
う~ん、このコースは、もう使わないかもしれない。
でも、日帰り登山コースは結構限られるよなあ~(哀)

今回の教訓)
天候が望めない時はあきらめてもいいんではないだろうか…(しかし、山男の習性かなあ)
装備重量は…多少は考えようよ。
無謀な考えは…押さえ込め!
秋山はないって…本当だね。(積雪のない雪山ってことか)
高度計が欲しいなあ~
せめて、ストック買おうかな…。

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【過去記事】2003年 丹沢山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。目的地:丹沢山(神奈川県)

行動日:2003年 06月 26日(木)
天気:曇り
コースタイム/コース:
 塩水橋 04:30/林道
 天王寺登山口 05:00
 堂平分岐 08:00
 丹沢山頂 9:20~10:15
 天王寺尾根
 天王寺登山口 13:00/林道
 塩水橋 14:30
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丹沢山(1567.1m)/不動ノ峰付近より
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コースは年初復路に使用した、本谷橋~天王寺尾根~丹沢山コースを使うことにした。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

先月、丹沢に行ったばかりだが…この日休みをとっていたので、しばらく天気予報とにらめっこしていた。
とりあえず曇りとのことで…しめしめとばかりに出掛けたのである。
夜が明ける前に出発したので、塩水橋より歩き始めたのは4:30であった。
03062601.JPG
今回は塩水橋横の路肩に車を停めたのだが、すでに2台ほど駐車しており、2台とも渓流釣りの方のようだった。
まだまだ薄暗いが…沢沿いには、釣り人の方々が。
登山口のある本谷橋までは、舗装された林道(一般車進入禁止)を20分ほど歩く。
途中年初往路で使用した堂平方面への分岐があるが、キュウハ沢方面へまっすぐ向かう。
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5:00、登山口に到着。いざ!参らん!っと、踏み出したまでは良かったが…。
いきなり登山道が途切れて、一瞬立ちすくんだ(?)
そうそう、ここの登山口はいったん沢を渡ってから、もう一度戻って…と、そこから本格的な登りになるのだった。
沢の石をつたい、登り口にたどり着く。気を取り直して進む。
霧が立ち込める森に入る。
天王寺尾根に続く尾根道に出るまで、南向きの斜面を迂回しながら登っていくわけだが、所々ガレ場や赤土剥き出しになっており、雨露で滑りやすくなっている。注意しなくては。
気温はそんなに高くないが、湿度が高く水の中を泳いでいるようだ…。
03062610.JPG
5:30、天王寺尾根に続く尾根道に合流。
ここから天王寺尾根までは、1時間30分以上はかかる。なかなか…霧は晴れない。
視界は開けず、周りの山並みも見えない。
朝は鳥達もおなかが空いているせいか…野鳥のさえずりが、とてもにぎやかだ。
少し開けた場所に出た。数m先しか見えない。
笑い声のような鳴き方の鳥は…何だろうか?
霧のせいもあり、声は聞こえど姿は見えず…彼らには私は見えているのだろうけど…。
バサバサっと羽ばたく音に、空を見上げど影しか見えない。
03062615.JPG
休憩もかねて、しばしこの森の空気に溶け込もうと努力する。
それを見てか否か…先ほどからの笑い声のような泣き声は森に響く。
このヒノキとモミジの林で、しばらく撮影を続けようか(山頂は断念するか)否か…ちょっと悩んだが、先に進む事にした。
賞味15分ほど休んだ後、再び歩き出す。
だんだんと明るくなっていていることはわかるが…なかなか陽射しは入らず。
時折雨粒が木々に振付ける。
しかし…木陰の私までは届かない。
雨具は持っていたが、天然のアーケードのおかげで濡れずにすんだ。(汗だくだが…(笑))
7:00、塩水橋まで60分の道標。下りなら…パッパと歩けば、60分くらいなのに…。
湿度が高いせいか、汗だくになる。
汗がポタポタと落ちる。
すでに歩き始めて1時間くらいで、右足の付け根辺りが痛くなって来ており、足を上げにくくなっていたので、少々辛い。
そろそろ…山並みが見えるはずだったが…霧と思っていたのは雲だった。
雲が切れ目なく、尾根を横切っていく。
ふと先を見ると…白いものが浮かんでいる…?
よ~く見ると…木漏れ日が水蒸気に当たって、白く光って見えたのだ。
休憩~ということで、またまた撮影しながら、この場所にしばし留まる。
やがて、森の中に陽射しが入り込む。
この瞬間を待っていた!
03062623.JPG
この森に神が居る…と言われたら、信じるなあ…。
EOS-7を取り出し、思うままにシャッターを切る。自然と対話する…って、感じだろうか?
うまく撮れたか、ちょっと不安だが(うん、大丈夫だった!)後ろ髪を引かれるような思いで、歩を進める。
03062626.JPG
8:00、堂平との分岐点に到着。
あと…1時間くらいか?
ここではリュックを降ろし、ヤッケも脱いでTシャツ1枚で涼む。
体から湯気が出ていた(笑)
さあ、もう少しだ。
新緑の中を進む。
ここからガレ場までは、比較的平坦な道のりだ。
ヒグラシだろうか?セミの鳴き声がものすごい。
03062632.JPG
ちょっと小高い丘を越えると…風景が一変した。登山路の、すぐ脇は…山が崩れている。
1月の時は雪が積もっていたこともあり、想像もつかなかったが…丹沢の崩壊を、改めて思い知らされる。
上の方からウグイスのさえずりが聞こえる。
03062633.JPG
滑落しないよう、慎重に鎖を掴む。
年初はここからの見晴らしは素晴らしいものがあったが…この日は、何も見えない。
気を取り直して、その先のブナの森に足を踏み入れる。
ここも雲の中だ…鳥のさえずりしか聞こえない。
耳を澄ますと…崖下の茂みから、シカの鳴き声が聞こえる。
時折、ガサッガサッと動き回っている。
少し離れた所にも、もう一匹いるようだ。
残念ながら視界が悪く、ファインダーを覗いてもシカの姿を捕らえることが出来ない…。
ブナの森には、フキが密生している。
緑の床板のようだ…。
木道を進むと、もう少しで丹沢山の尾根道だ。
木道が階段になった。間もなく尾根道…。足を引きずるように一歩一歩登る。
みやま山荘まで、もう少しだ。
心なしか、足取りも軽い。
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9:20、ようやく丹沢山頂に到着。やはり雲の中。他の山々は何も見えない。
ここまで他の登山者には会っていなかったが、山荘の泊り客であろう一家が、丁度蛭ヶ岳方面に向かうところだった。目が合ったので、軽く会釈する。
山荘横のテーブルの周りは私だけになった。(山荘には誰かいるのだろうが)
朝、提出してきた登山届には、丹沢山を経由して蛭ヶ岳に向かう旨記入したが…足も痛む上、天候も良くないので、このまま下山することにした。
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今回はストーブを持ってきていたので、湯を沸かしてココアタイム。
(途中寄ったコンビニには、スティックタイプのコーヒーがなかった。ちょい残念)
ココアをすすりながら、しばし、たたずむ。
時折、雲の切れ間から陽射しがこぼれる度に、背中に暑さを感じる。
遥か彼方では、雷鳴が聞こえる…。いや、今思えば、遠方の砲声なのか?
これでは…天候も回復しそうもないなあ…。
10:15、下山の途につく。
傍らに投げ捨ててある、杖代わりの手ごろな枝を手にすると、装備を戻して歩き出す。
尾根道を引き返すと、相変わらずウグイスが鳴いている。
03062646.JPG
さっきは一歩を踏み出すのに苦労したのに、下りは快調だ。
ガレ場の手前で岩が転がる音が聞こえた。耳を澄ますと…話し声も聞こえる。
5人組の登山者にすれ違った。
「やっと人に会えたわ~」っと、おばさん達が話し掛けてくる。
「今日は人が少ないですね~。僕も今日始めてですよ~」笑いながら挨拶を交わす。
「頂上も、こんな感じかしら?」
「そうですね。今日は見晴らしは駄目ですね~」
「頂上まで遠いのかしら?」
「この上のブナの森を抜けて、木道が出てきたら…もう少しですよ」
「もうちょっとよ、がんばらなくっちゃ」
おじさん、おばさんパーティーは、元気に登っていった。
03062648.JPG
ガレ場の途中で、黄色い花がいくらか咲いていた。
この黄色い花は何ていうのかなあ?図鑑見てもわからなかった。
久しぶりに人に会って、ちょっとホッとしたが…気を許さず、滑落しないように慎重に下る。
行きに撮影した方と反対側の斜面に視線を送ると、こちらも崩れている。
無事にガレ場を降りると、再び森の中に入る。
03062650.JPG
歩を進めるにつれ、標高も少しずつ下がり、セミの声が近づく。
気の向くままに、キノコを撮影したりと…少し余裕が出てきた。
11:00、堂平分岐点に到着。
ここまでで、2回ほど登山者とすれ違う。
私と同じシングルだ。
静寂の中、おじさんトリオの登山者とすれ違う。
ここで、この時間だと…山頂は14:00過ぎかなあ…?
挨拶して、ちょっと立ち話。
「こっからだと、3時間くらいはかかるのかね~?」
「そうですね~。それくらいはかかりますね」
「ずいぶん早いですね~何時に登ったんですか?」
「今日は5時から登ってます。写真撮りながら登ってるもので…」
こっちの登山道は初めてだったのか、いろいろと会話も弾む。
「まだまだ、先は長いぞ。がんばって行こう!」
「お気をつけて~」
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おじさん達を見送ると、私も下りだす。再び、霧(雲)の中。
ここら辺では、セミの声も聞こえない。
だんだん踏ん張りが利かなくなってくる。杖が頼りだ。
あっ…見覚えのあるところだ…。
そこは登りの際に休憩を取って、登るか下るか…考えていたところだ。
朝の頃とそう変わらない雰囲気。
登山路の踏跡が…今日の時間の経過を物語る。
保有林の柵沿いに、どんどん下る。
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下草にカヤがある。だいぶ標高が下がった証拠だ。
ふと…気が付くと…ホタルだ。
夜になったら結構きれいかも…と想像すると、楽しい。
ようやく本谷橋につながる登山路(向かって右)へ。
年初の際、真っ直ぐか悩んだ…と記載したが、真っ直ぐは行けないと思われる。
(今持っている地図には記載されていない)
歩き辛い…。ガレガレ、ツルツルの道をヘロヘロで下る。
後は根性だ(笑)
耳を澄ますと…水の音が聞こえる。もう少しだ!
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右手の方から、ザーッという水音が聞こえる。
13:00。無事に登山口に到着。
早めに降りることが出来たので、本谷川の河原に下りてみた。
梅雨時ということもあり、水量は多い。
顔を洗うと、ひんやりした水が疲れを癒してくれる。
手ごろな場所を見つけると、ストーブを出して昼食を作ることにした。
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とはいっても…インスタントラーメンだが(笑)
腹ごしらえを済ませると、EOS-7を取り出し沢をめぐる。
今回は天候も微妙だったので、フィルムを使うのは限定とした。
ここぞとばかりに露出補正のテストなど、試したかった事を行う。
(同じような構図の写真を何枚も撮った。あはは)
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せっかくなので、F707でもスローシャッターに挑戦(微笑)
ND2かまして、露出補正マイナス2.0、絞りF8.0のシャッタースピード1秒で…それなりに撮れるものだ。
水は…ものすごく澄んでいる。
空気も涼しくて気持ちいい。
1時間以上、沢で時間をつぶしてしまった(笑)
ん~今度は、沢だけで来てみるのもいいなあ…。
1月は肝を冷やした舗装された林道を歩き、ようやく車に戻った。
登山靴を履き替え、スパッツを外すと…内側にヤマヒルが…(汗)
血吸われなくて、良かった。
今回アミノサプリ 900ml×2本、ミネラルウォーター800ml(湯沸し用)と重装備。
おかげで水分残量はそんなに気にせずに済んだが…いかんせん重い!
三脚も、ゴツいの欲しいしなあ…なんて考えてたりすると…装備重量がえらいことになることに気づく(笑)
そろそろ…いい季節だから、高原に行きたいなあ~
低山はヤマヒル出るからイヤ。
という訳で…この後しばらくは違う方面に出没予定か???

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【過去記事】2003年 本間ノ頭 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。
 
目的地:本間ノ頭(神奈川県)
行動日:2003年 05月 30日(金)
天気:晴れ
コースタイム/コース:
 宮ケ瀬湖DIC 06:45/県道
 宮ケ瀬登山口
 本間ノ頭 12:00~12:20
 高畑山 14:30
 宮ケ瀬登山口 16:00
 宮ケ瀬湖DIC 16:20/県道
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本間ノ頭(1345.4m)/山頂
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丹沢進出2回目となる今回は、宮ヶ瀬からの登頂です。
高畑山を経由して、三ツ峰から丹沢山に行くコースを設定してみました。
地図に記載されているコースタイムでは、宮ヶ瀬 三叉路~丹沢山間は往路 5時間20分、復路 4時間となっておりスーパーハードだ。
今回は無理して丹沢山を目指さず、正午時点のポイントから折り返す事にした。
往復22kmあるし、遭難しちゃあ~大変だ。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

6:30に宮ヶ瀬ビジターセンターに到着したものの、駐車場は開いていない。
平日なので、やまびこ大橋手前の駐在所裏の駐車場も閉まっている。
しょうがないんで…ダムインフォメーションセンターの駐車場(ゲートは開いている)に駐車し、帰りに料金を払う旨メモを残しておいた。
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駐車場から登山道入口までは、およそ15分程度。
バスで来たなら…三叉路というバス停で降りると10分もかからない。
今回は登山者カードを提出したのだ。
全国共通で使えるものではなく…丹沢山系用の書式のもの。
神奈川県警のHPよりダウンロード出来ます。
予め丹沢山系の概略図が入っていて、コースを記入しやすいのだ。
7:00~いざ入山。
細くて、湿った道を黙々と登っていく。
小さな羽虫やくもの糸…。さながら腐海の様…(笑)
藪の中のけもの道のような登山路をどんどん登って行くと、少し景色の見える切返しに出た。
写真には撮れなかったが…ニホンシカが2頭、登山路の私をうかがっている。
宮ヶ瀬湖の湿地でも見かけたし、今日は良く見る日だ。朝早いからか?
やがて薄暗い道の先にゲートが見えてきた。
やはり保安林の柵だ。
丁重にロックをし直す(鎖であったり、ゴムバンドであったりする)。
更に歩を進めると同じようなゲートがあった。森を守るのは大変である。
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御殿森ノ頭付近に到着。ここから…まだ4時間半は歩かなくてはならない。
8:00はとうに回った頃、下山のおじさんとすれ違う(泊まりの人かな?)
にこやかに挨拶する。
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カメラ2つ(EOS-7とF-707)ぶら下げて、腰には登山ナイフ、頭にタオルは…。
どう見ても山賊かもしれない。(笑)
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道端にはマルバウツギの小さな白い花が咲いている。つい足を止めてしまう。
こんなものなので、ペースに遅れを生じている。
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ひたすら細い登山路を進む。苔生した岩には、何だか温かみを感じる。
遠くの山々は連なり、きれいな色合いで重なる…。
ちょっとひと休みの間、風景に見入りながら、日本も捨てたもんじゃないよと思う。
再び下山者とすれ違う。
3人組のおじさんは元気そうだ。
植林された森の中、切り倒された木々の元に別の植物が芽を出す。
命は回っているんだなあ…と、妙に感心したりして。
ようやく、高畑山山頂分岐(東側)に到達。
予定よりも1時間近くオーバー…。
この辺りは所々道が崩れ、木橋がかかっている。
ちょっとしたアトラクションのようで楽しい(笑)
傍らではミツバツツジの花が鮮やかで、目を楽しませてくれる。
新緑の中でピンクの花が冴える。
土砂が崩れ落ちた跡もあり、大きな岩が今にも落ちてきそうな箇所もある…コワイコワイ。
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そろそろ金冷シという頃は、岩場が多い上に…道も更に細い。
全体的にそうなのだが…細い登山道を踏み外したら、そのまま谷に滑落する。
すでに雨などで流れている部分も多い、注意されたし。
しかし、緑色の美しさには、ため息が出るほどだ…。
金冷シまで到着。ようやく1/3は来たか…。
山を抜ける風はひんやりとしていて、まさに天然のクーラーだ。
しかし前半戦でかなりの体力を消費しており(笑)休む間隔が短くなってきている(笑)
1月に丹沢に登ってから暫くブランクがあった。日ごろのトレーニングは必要だ。
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黄緑色の絵の具で塗りつぶしたような新緑。思いっきり、深呼吸するのがとても気持ちいい。
とはいえ、この先本間ノ頭(1345.4m)までは、かなりの登りが続くと聞く。
案の定、オニのような登りが続く…。
風の音と鳥の声しか聞こえない中で、ゆっくりゆっくりと登っていく。
時折現れる緩やかな地点は、さながらオアシスのようだ(笑)
途中すれ違ったおじさんが「ここは、長いね~」と言いながら下りていく。
そう言われると…「本間ノ頭まで、まだまだですか?」なんて…恐ろしくて聞けない(笑)
岩場もあり、フラフラの身体にはこたえる。
本間ノ頭の直下あたりは、野鳥のさえずりが良く聞こえる。
休憩がてら耳をすましながら、声の主を探す。
野鳥は木の枝ごしの上、動きも素早いので狙った写真が撮りにくい。
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ようやく…捕らえることが出来た。羽の瑠璃色が美しいのは…カケスだ。
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まだまだ登りは続く…。
見た目鮮やかな状況に比べ、登ること自体は過酷で…何て残酷なのだろう。
ブナは静かに立ち、私の様子をうかがっている。
会話するように、思わずシャッターを切る。
「そこを登りきったら…本間ノ頭」と自分自身をだましながら(笑)程なく歩くと、少し見通しのきく所に出た。
雲が山頂を隠すかのように垂れ下がってくる。天候が変わるのだろうか?
何度目かの「そこを登れば…」と思っていた階段で下山者とすれ違う。
呼吸を整えて階段を上りきると…本当に本間ノ頭であった。
見通しは利かないが…三ツ峰のひとつ、本間ノ頭(1345.4m)である。
7:00から歩いて…12:00。5時間もかかった。
丹沢山までは、ここから更に2時間ほど歩くことになる。
地図上の時間だから、自分だったら…3時間近くかかるのではないだろうか(汗)
とはいえ、昼食をとることにした。
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真ん中にブナ(?)の木があって、ベンチ代わりに休まさせてもらうことにした。
ここまで登ってくる途中、時計を見ながら考えていたのだが、丹沢山は諦め、早戸川へ降りて、川沿いに宮ヶ瀬湖に戻ろうかと考えていた。
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しかしながら…一般登山者通行禁止の立て看板が…非情にも道を塞いでいる。
確かに地図にも崩壊地が多く、迷いやすいと記載されている。
ちょっと迷ったが…(おいおい)早戸川付近で登山者が遭難した記事を思い出し、もと来た道を戻ることに決めた。
12:20ごろ、再び歩き出す。
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道端にはまるで飾り付けられたかのように、下草の新しい葉が添えられている。
下りとはいえ、所々の岩場には注意だ。
あれだけ苦戦した登りに比べて下っていくのは早い。登りの半分くらいの計算になる(笑)
陽射しの入り方が時間とともに変わって、往きとは異なる風景に遭遇できる。
一時は曇ってくるのかと心配していたが、天気はもってくれた。
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あっという間に金冷シまで降りてくることが出来た。
ここいらはちょっと危険なコースだが、アトラクションみたいで楽しい。
橋の下は押し流された跡がある。雨が降ったらウォータースライダーだなあ…。
せっかくだから、往路はパスした高畑山山頂へ登ることにした。
足もそろそろ痛くなってきてる。
この登りは辛い(笑)
山頂が見えてきた~。早足になる。
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高畑山山頂には展望台があった。
すでに先客がいて、遅い昼食を取っているところだった。
カメラバックを持っていたので、私と同様(?)、写真を撮りに来ているようだ。
私は傍らのベンチに身を投げ出し、しばし休憩。
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高畑山(766m)展望台からの眺めは、そんなに良くはない。
15分ほど休憩して、高畑山を降りる。
下りは早い…あっという間に、登山路に合流。
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午後の陽射しは柔らか味を増し、スギ林に静かに入り込む。
だんだんと膝も笑い出してくる頃、宮ヶ瀬湖が見えてきた。
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目的地が見えてくるだけでも、足取りが変わるものだ。荷物も軽い(笑)
往路の時と比べ、道の湿り具合が変わっている。
程よい土の柔らかさ、去年のうちにたまった落ち葉が疲れた足に心地よい。
次第に下草も増えて…植生を見ると高度が変わってきているのが、素人でもわかる。
あと…少し。
今度は自分をだますことなく、本当にもうちょっとなのだ(笑)
登山道入り口数十m手前で、高畑山であったカメラマンの人に再び出会う。
彼は道端に座って、何かを待っているようだ。
邪魔をしないように、足音をたてないように…そうっと挨拶を交わして、その場を離れる。
ようやく…下山成功!16:00のことである。
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登山道入口から宮ヶ瀬ダムインフォメーションセンター駐車場に向かって歩道を歩く。
ヤッケを脱ぎ、Tシャツの身体に、風が気持ちいい。
宮ヶ瀬湖付近、朝はこの湿地にニホンシカがいたのだ。
駐車場に到着したのは…16:20のこと。
お疲れ様でした。
丹沢山には行けなかったけど…丹沢山系の奥深さに触れるには充分。
しかし地図のコースタイム、40~50代男性で登山経験者って…おじさんは早いなあ…私には、×1.5しなければ…。
まあ、立ち止まってはカメラ構えての繰り返しだから、仕方ないといえばそれまでだ。
今回の教訓。
・水は多めに
・引き際の鮮やかさに酔おう
・遭難したくなければ、立看板のいう事を聞こう

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【過去記事】2003年 丹沢山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:丹沢山(神奈川県)
行動日:2003年 01月 05日(日)
天気:晴れ 後 曇り
コースタイム/コース:
 塩水橋 07:00/林道
 堂平登山道
 天王寺尾根
 丹沢山頂 11:45~12:45
 天王寺尾根
 天王寺登山口 16:00
 塩水橋 16:30
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丹沢山(1567.1m)/山頂・みやま山荘
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丹沢山は宿泊じゃないと登れない…という感があったが、日帰り登山が可能なルートがあることがわかったので、挑戦することにした。
塩水橋まで車で入り、そこから林道を歩いて堂平の登山口に取り付く予定だったので、宮ヶ瀬方面より長者原・唐沢キャンプ場に向けて細い峠道に入る。
日本百名山 登山ガイド-中-(山と渓谷社)より

さあ、ついに丹沢に進出っす。
折りしも神奈川は元日から雪が降ったので、雪山登山は覚悟の上だった。
今回はヤッケではなくスキーウェアを羽織り、簡易防水のズボンを履いて出かけた。
03010502.JPG
正月明け日曜日と言うこともあり、すれ違う車はない。
(どこで対向車が来るかわからないので、スピードの出しすぎには注意!すれ違い可能なポイントは限られているのだ)
塩水橋近くの林道入り口付近の路肩に車を停めた。
AM7:00と言うこともあるが、路面は凍結している為、滑り止めは必須(レガシーはスタッドレスに換装している)
車を停める場所を確保する為と、今回は往復で最低7時間はかかると見積もったので、普段より早めに現着したのだが、すでに路駐ポイントは埋まりつつあった。
幸いにして、すれ違いポイント以外の路肩が空いていたので、有無を言わせず駐車する。
塩水沢を流れる水は…まさに「冬の色」である。(意味不明?)
冬季封鎖された林道に入り込み、見込みでは2時間半先の登山口を目指す。
積雪~凍結で、路面はアイスバーンだ。
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雪につけられた足跡を観察すると…シカの足跡と、それを追うハンターと猟犬。
これらは凍っているので、1日以上前のものだ。
さらに、比較的新しい登山靴の跡が2つ、3つ…。アイゼンを装備しているのもある。
下に停めている他の車の主のようだ。
私もシューズのスパイクを降ろして、滑らないよう慎重に歩く。
上りは、まだいい方か…下りは怖そうだ…。
しかし下りの際は、この林道ではなく天王寺尾根を下るので、「まあ、いいか」と思う。
まだ、陽の差し込まない斜面は…何となくブルーがかって見える。
お、これが「冬の色」かな(笑)
03010506.JPG
眼下の塩水川を見ると、相変わらず水面は暗く、それでいてものすごく澄んでいる。
辺りは、沢の音と自分が凍った雪を踏みしめる音しか聞こえない…。
いきなり、傍らで「ガサッ」と物音がした。
音の方向は、ガードレールの外の斜面だ。一瞬、黒いかたまりが視界に入った。
「…???」
そう…っと、カメラの電源を入れながら、近付く。
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こちらをジーっと伺うのは…カモシカだ。慌ててたんだなあ~、目が隠れてる(笑)
彼(彼女)は写真を撮らせてくれた後、そのまま斜面を下り、沢を飛び越えて向こう岸へ行ってしまった。
(良かった…クマじゃなくて)
思いがけない野生動物との遭遇に、ちょっとドキドキしてしまった。
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崖の所々には水が染み出しており、それが、この寒さできれいなツララになっている。
まさに自然が創り出した芸術作品だ…。
しばし、ため息…。
何枚か撮影して、再び歩き出す。
はじめは、林道歩きなんてつまんないと思っていたが、思いのほか楽しいじゃないか(笑)
気付くと…結構標高が上がっているのが、視界に入る山並みからわかる。
往路の3/5ほどを占める林道だったが、結構堪能してしまった(笑)
03010514.JPG
堂平に到着すると、丹沢山への登山口が待ち構えている。
ここから、約3kmの道のりだ。約2時間はかかる見込み。
所々に雪が残っているが(この後は、もっとすごいが…)森の木々は枝を落とされて、陽射しの入る暖かい雰囲気だ。
こうやって、下草を育てているらしい。森を守るのも大変だ。
こんな感じで、ザクッザクッと歩いていく…(笑)
やがて、登るごとに雪が増えていく…。
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この辺りはガレ場で、これを撮っている最中も右手の崖から落石が続く…。
充分注意して通り抜けて欲しい。
実はここで撮影しようとした際、PLフィルタをつけ換えていて、レンズフードを崖下に落としてしまった。
幸い5mほど下で枝に引っかかって止まったので、土砂止めをつたって、回収作業を実施。
5分ほど費やしてしまった…土砂止めを越えて、落ちていっていたら…あきらめたんだけど。
ここは丹沢山系のもろい地質や環境が目の辺りに出来る場所だ。
山が崩れていくのが現在進行形でわかる。
先に見た、県の看板の「我々人間が、この山に出来ることは何か考えて下さい」という、一文がリフレインする…。
ガレ場を過ぎ、丹沢山頂に続く尾根に取り付く。
積雪は、ますます深みを増し、先行者の足跡をトレースしないと、ズボッとヒザ下まで埋まってしまう。
途中、伐採で落とされた手ごろな枝を、ストック代わりにして4本足で進む。
03010520.JPG
息もあがってくる頃、尾根に出た。
ほっと、ひと息つくと…今までのの疲れが、少し和らぐ。
尾根道はまるでけもの道のように、雪を漕いだ跡が続く。
人の足跡も、シカの足跡も続くのだが・・・。
行く手には、目指す丹沢山、左手には、塔ノ岳が見える。
頭上には青空が広がり…まるで、自分の存在感が空気に溶けていくような感じだ。
やがて、天王寺尾根から丹沢山頂につながるポイントに到着。
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ここもガレ場で、結構急なところ。今回唯一の鎖場がある。
ここで上からの下山者にすれ違う。
写真中おじさんが降りていく様子込みで、傾斜の具合がわかれば…。
しかし、ここからの眺めは「すばらしい…」のひと言。
03010525.JPG
大山越しに相模湾がきれいに見える(写真では見づらいのが残念)
後ろ髪を引かれるような思いで、その場を離れ先に進む。
少し登ると、やがて開けたブナの林に続く木道に出た。
丹沢山頂の尾根に続く、木製の橋の道だ(雪積もっているけど)
雪のせいで足元が滑る。
はやる気持ちを抑えつつ、一歩一歩確実に歩いていく。
もう少しで山頂だ
03010527.JPG
山頂に続く尾根に出ると、かなりの積雪量だ。
ストック代わりの枝がズッポリ埋まってしまうほどだ。
時折、脚を取られつつも、半ば根性で進む。
少しすると広場に出る。
ようやく山頂に到着した。みやま山荘だ。
木のテーブルのようなものが、頭を出している。
私の他、登山者は2名いた。思い思いに休憩している。
11:45頃到着したこともあり、ここで昼食を取ることにした。
途中のコンビニで買ったおにぎり弁当だ。
そうしている間にも、登山者がどんどん登って来る。
ガスバーナーでお湯を沸かしたり(あ、これいいな~今度やろ~)、写真だけ撮って降りちゃうヒトとか…。
03010530.JPG
丹沢山頂からは、富士山が望める。
残念ながら頭は雲に覆われていたが、結構きれいに見える方ではないだろうか。
あんまりゆっくりしていると…日が暮れてしまうし、雲も増えてきた。
何があるかわからないから…早めに下山しようと考え、12:45に下山の途につく。
木道を下り、再び雪原に足を踏み入れる。
ブナの森では、様々な鳥が陽だまりでたわむれていた。
ん~、野鳥を撮るにはもうちょっと望遠が欲しい…(笑)
鎖場手前で、もう一度すばらしい景観を楽しむ。
スキー場ならこれくらいの斜度、何ていうことはないのに…歩くと結構怖い(笑)
こういう状況下では、ストック代わりの枝はすごい重宝する。
おかげでヒザへの負担は軽減された。
ストック買おうかなあ(結構ラクだ)
03010533.JPG
あっという間に、天王寺尾根と堂平への分岐に出た。
帰りはこのまま直進し、尾根を歩いて下山する。
尾根道は、標高も下がったせいもあるが、比較的雪も浅い。
所々、登山道がわからなくなるような場所もあるが、そういう時は足跡を辿ったり、木々に付けられたマーカーを頼りに進む。
まさに「急がば回れ」である。
決して近道しようと斜面をいっきに下らない方が、身の為ということか。
途中、父娘か、夫婦か?登って来る登山者とすれ違う。
これから登るって事は、山荘に宿泊かな?
地図上では確認していたが、天王寺尾根も結構な距離がある。
03010537.JPG
塩水橋まで60分の標識が出てきた。14:30のことである。
実際には60分じゃあ行けないと思う…。ちょっと疑心暗鬼(笑)
やがて隣の山の陰に入り、登山道は薄暗い。
雪よりも、霜柱のせいで滑ってしまう。
こうなるとスパイクも、あまり役に立たない。
静寂の中、再び「ガサガサッ」という物音…。
目を凝らすと、シカだ。
彼女は一目散に、はるか上に登って行ってしまった(撮影するヒマもない…)
03010541.JPG
途中、宮ヶ瀬(天王寺橋)方面の分岐が出てきた。
地図上では直進の方が近いが、標高差を考えると、また山を越えなくてはならない。
(後でわかったが、登山道ではないらしい…林業作業道みたい)
素直に南の天王寺橋に進路をとった(もう…登れなあ~ってのが本音)
空は雲が広がり、陽射しも差し込むことが少なくなってきた。
気温が下がってくるのが、良くわかる。
やがて、水の流れる音が聞こえてくると…沢沿いに出る。
まもなく林道だ。
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16:00頃、本谷橋手前の天王寺登山道口に到着。
さあ、後は林道を歩いて、塩水橋に向かうだけだ~と、意気揚々と歩を進めたが…。
堂平に向かった林道と異なり、こちらの林道は…完全に氷がはっている。
傾斜があると、スパイクなんか…効きもしない。
あ~っという間に、10mほどスケート状態で滑走する。
これは…すごい危険だ。危険すぎる(ここで、今回最も恐怖を感じる)
傍らの本谷川はきれいで、カワセミも見ることが出来たのに…この緊張感の差はなんだ。
路上の私は必死だ。
山側の崖下では、枯葉が積もっており、そこは氷も薄いので、崖にピッタリひっついて歩く。
良く見ると、ウサギの足跡なんかもあったりする・・・同じ目的なのだろうか。
撮影もそこそこに、ヒヤヒヤしながらも、もとの林道に合流する。
林道入り口にたどり着くと、先にあった車はなく、別の車が駐車していた。
03010545.JPG
お疲れ様でした。重宝していたレガシー2.0GT。いい車でした…燃費以外(笑)
ついに丹沢山に登った。
これくらいの雪山は、ちょうど良かったかも。
これ以上だと現状の装備では無理だ。
しばらくは、高い山はお預けかな?
ん~、アイゼンとストック買ったら、わからないけど(笑)

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【過去記事】2002年 仏果山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。
 
目的地:仏果山(神奈川県)
行動日:2002年 12月 02日(月)
天気:曇り 時々 晴れ
コースタイム/コース:
 大棚沢広場 11:50/仏果山登山道
 高取山仏果山分岐
 仏果山山頂 13:00~13:30
 高取山仏果山分岐/仏果山登山道
 大棚沢広場 15:20
02111520.JPG
仏果山(747.1m)/高取山より
02120201.JPG
またまた、休みを取って…宮ヶ瀬湖に出かける。
前回登れなかった仏果山に登ることにした。
仏果山登山口(バス停)にある、登山コース案内より)
県道伊勢原津久井線から宮ヶ瀬ダム方面に向かい、大棚沢広場の駐車場(無料)に車を停めた。
仏果山登山口から山に入ったのは11:50。
今回は早めに昼食を取ったのだが、念の為コンビニでおにぎりをひとつ購入しておいた。
先日下った山道を今度は登る。
昨日天気が崩れたせいか土は湿り気を帯び、森の空気も水気にあふれている。02120204.JPG
山に入ったとたん森の空気は変わる…不思議だ。
時折、陽射しが入るので寒さを感じない。
前回下りのときに感じたように、高取山に比べると登りやすい斜面だ。
立ち止まっては振り返り、森の中にいることを楽しめるような雰囲気だ。
すでに紅葉もピークを過ぎ、登山道は落ち葉が敷き詰められ、まるで絨毯のようだ。
ひざへの負担は軽減されるので歩くのは楽だし、何より落ち葉の中を歩く、自分の足音がシャリシャリと気持ちがいい。
山の方を見ると、目指す仏果山の紅葉もまだらになってしまっている。02120206.JPG
宮ヶ瀬ビジターセンターが遠くに見える。
月曜ということもあり、周りには誰もいない…。
枯葉が落ちる音と自分の足音と、野鳥のさえずりしか聞こえない。
まさに「自由」を感じる空間だ。
落ち葉の絨毯は、程よい傾斜を持って続く。
やがて木の階段が現れる。
階段というよりは、土も削れて…そう、アスレチックのようだ。02120208.JPG
少しばかり、傾斜がきつくなりますよ~ってのを意味する訳だ。
所々階段の土は削られ、一段ごとの高低差が増すところがあるが、程よい運動量だ。
ひと汗かいた頃、森が少々変わる。
モミの木が多くなってきた。
まだ、紅葉の名残を惜しむかのようなモミジの木も見られる。
02120210.JPG
立派なモミの木だ。この辺りは存在感のあるモミの木が何本かある。
更に登っていくと…標高が上がるにつれ、落ち葉の絨毯の厚みが増していく。02120212.JPG
やがて、高取山と仏果山の分岐点に到着した。
目指す仏果山は…左手奥を登っていく。
ここから仏果山へは、尾根沿いにぐるりと回りこむ感じになっている。
尾根道では4組ほどのハイカーとすれ違った。
道幅も狭いし、所々にガレ場がある。
落ち葉がかぶっているので、注意しないと滑ってしまいそうだ。
下りは気をつけないと。
ふと振り返ると尾根を進んでいる為、高取山方面が良く見える。02120215.JPG
山の色は、だいぶにじんでしまった。
もう冬だな…と改めて思う。
やがて正面に仏果山山頂が現れ、その尾根に取り付く。
山頂はまもなくだ。
02120216.JPG
最後の最後でガレ場が続く。
ロープを伝わないと危ない箇所もあるが、ちょっとした冒険気分が味わえる。
ん~…ここへ来て、こう来るか…。怒涛のガレ場(笑)
ガレ場を越え、目の前にアンテナ塔が現れると、山頂に到着していた。02120218.JPG
逆光でよくわからないが(笑)岩の中には、小さなお地蔵様がおられる。
お地蔵様にここまで無事に来れたことに感謝しつつ、辺りを見回すと…。
仏果山山頂は、高取山に比べ平坦部が少ない。
ベンチなどもあるのだが、傾斜の中に階段のように並んでいる。
割と…地味なんだな…。
そう思いつつ、看板を見ると仏果山の由来が書いてあった。
仏果禅師という偉い方が修業された山なのだそうだ。
何でも、かの師が禅を組まれた岩は今では沢に落ちてしまったそうなのだが、由緒ある山なのだ。
確かに…独り瞑想にふけるにはもってこいの場所だ。
せっかくだから展望台に登る事にした。
この展望台はアマチュア無線のアンテナ台にもなっている。
標高750m弱からの眺めは高取山にも劣らない。
02120221.JPG
南に位置する三峰山。
その右奥には大山が見えるらしいのだが…今日は何も見えない。
途中ズボンのすそのゴムが切れてしまったので修理したり、おにぎりを食べたり…。
ゆっくりとタバコをふかしたり…。
人がまったく来ないことをいいことに賞味30分以上くつろいだ。
さすがに鉄板の床で、お尻が冷えてくる頃(笑)下山の途についた。02120222.JPG
山頂直下には、路肩が崩れているところもあった。
木橋が架けてあるが、雨上がりなどで濡れている時は慎重に通過してもらいたい。
気をつけないと、谷へ真っ逆さまに落ちてしまう。
02120223.JPG
帰りは…あっという間。
落ち葉の絨毯のせいか、足取りもまだ軽い。
足を滑らせてヒヤっとする場面もあったが、黙々と降りる。
まだ15:00前だが、薄曇ってしまい陽射しが乏しい。
だんだんと寒くなって来たので、手袋とニット帽で防寒対策する。
見覚えのある道だから、不安のかけらもない。
30分もしたら…県道の車の音が聞こえてきた。
02120227.JPG
木々の雰囲気も、上と下では違うものだ。
少しずつ現実の世界に近づいていくような(?)何だか残念な(ような?)不思議な感覚だ。
林の先には、宮ヶ瀬湖もチラチラ見えてきた。
15:20頃、無事に登山口まで到着。
お疲れ様でした。
前回の心残りを払拭して、よし!って感じだろうか?(何だ、それ)
丹沢周辺の山はたくさんあるし、奥が深そうだ。
今度は丹沢山方面に進出か?
う、しかし…そろそろスキーシーズンだ…。

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【過去記事】2002年 高取山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:高取山(神奈川県)
行動日:2002年 11月 15日(金)
天気:曇り 時々 晴れ
コースタイム/コース:
 宮ケ瀬ダム駐車場 11:15
 高取山山頂 12:45
 高取山~仏果山/尾根道
 仏果山登山道分岐/仏果山登山道
 仏果山登山道 14:00
 大棚沢広場/県道
 宮ケ瀬ダム駐車場 14:40
02120219.JPG
高取山(705m)/仏果山より
miyagase_map.jpg
宮ヶ瀬湖周辺のビジターセンターで配布されているガイドマップより
今回は、宮ヶ瀬ダム辺りから、高取山・仏果山に登ることにした。
県道伊勢原津久井線から、宮ヶ瀬ダムの駐車場(無料)に入る。
ここは、ダム観光のバスも停留する為、一般車両の駐車は予約をした方が確実だが…午前中で平日ならば、大丈夫。(9:00~18:00)
平日だが、観光ツアーやダム見学の小学生で、人通りも多い。
02111501.JPG
皆、ダムの方へ向かうが、私は駐車場手前の登山道入り口に向かう。
駐車場から橋手前山側に、看板がないと見過ごしてしまいそうな(笑)登山道入り口がある。
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まずは、橋の下の方まで下りる。そこからは、急な階段が続く。
階段は木ではなく、プラスチックだ。
迂回しながら登るのではなく、一気に階段を上がっていく。
これはつらい…。黄色に色づいた木々を抜けてヒーヒー言いながら、登ってはひと息、登ってはひと息を繰り返す。
15分ほど登ると、階段が切れ、テーブルがある休憩所に出た。
ここでちょっと休憩する。日当たりが良く、気持ち良い。
宮ヶ瀬ダムも見下ろせる。
ここからは先ほどの階段とは異なり、山の中へ分け入るという感じでけもの道のような登山道に入る。
ふと、脇を見ると…「山ヒル注意!春~秋」の看板が見える。
!?…山ヒルかよ~メチャメチャ、イヤだなあ…。
まあ、もう晩秋だし、夏みたいには出てこないよなあ…。
枯葉が、落ちてくる度に、ドキドキしながら、一歩一歩歩く。
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植林杉の間を歩いていく。日の当たる斜面では、広葉樹の林が広がる。
下の休憩所から更に15分ほど登ると、少し開けた場所に出る。
テーブルが置いてある休憩所だ。
更に標高が高いので、宮ヶ瀬湖が上から見下ろせる。
ふもとの紅葉がいい感じで見えてきた。
ここの休憩所を過ぎると、犬の鳴き声が聞こえてきた?
傍らを見ると、ハンターのおじさん達が休憩している。
おお~ここは狩猟区なのか…気をつけなければ。
子供の頃、実家の裏山で遊んでいた時、ハンターに出くわした事を思い出す。
雑木林から農道に飛び出すと、そこに大きな猟犬を連れたハンターのおじさんにばったり出くわした。
散弾銃をはじめて見たのは、その時だ。
射撃姿勢には入っていなかったので撃たれなかったが(汗)その頃実家の方では、近所の窓ガラスに銃弾が飛び込むなど、デンジャーな環境だったのだ。
今では狩猟禁止区域がはっきりして、そういう事故はなくなったみたいだが…。
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おじさん達に軽く会釈して、そこを通り過ぎると…少し下りになった。
次の尾根に取り付くと、尾根伝いの細い登山路になる。
もう、すっかり「山ヒル注意」のことは忘れしまった。
両側は切り立った崖だ。
大山よりも細くて路肩ももろい。
紅葉も一段と際立ってきた。
気の向くままにシャッターを切る。
西側は宮ヶ瀬湖の先に丹沢山系の山並みが見える。
高取山の山頂まであと数百mという頃、先の方で子供達の声が響くのに気付いた。
どうやら、集団で登山しているようだ。
何を、騒いでいるのか?という疑問は程なく解けた。
02111517.JPG
急な斜面のガレ場が待ち構えていた。ロープをぶら下がって登るポイントも出てくる。
撮影できる状態でもなかった(笑)
高取山の山頂に到着したのは…12:45ごろ。
登りはじめたのが11:30ごろだから、1時間15分で到着したことになる。
山頂にはひと足早く到着した小学生の集団(多分1クラスだろう)が休憩していた。
予定がおしているらしく(?)程なく愛川方面に下山していった。
急に静かになった山頂でふと見ると…鉄塔がある。
10mはあろうか?登ってみた。
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鉄塔からは宮ヶ瀬湖半地区や、仏果山方面、丹沢の山々を見渡すことが出来る。
遠くに丹沢山が見える。
やがて薄い雲が広がって寒くなってきた。
そういえば天気予報では午前中雨もあり?とか…。
でも雨は降らなかった(よかよか)
今回おにぎりを持って来ていたのだが、実はこの後の予定があったので、ここでは昼食を取っている時間がなかった。
先を急いで、仏果山の方へ進む。
02111525.JPG
高取山~仏果山の尾根道は、比較的歩きやすい。
林の向こうに見えるのは仏果山の山頂だ。
時間的に仏果山の山頂へは間に合わないと判断し、途中の仏果山登山口方面に下り、湖沿いの県道を宮ヶ瀬ダムまで歩くことにした。
所々に愛川方面に降りる分岐点も存在する。
秋も深まり、冬の気配も漂う中、銃声が響く…。
しばらく歩くと仏果山山頂と宮ヶ瀬(仏果山登山口)との分岐点が現れる。
迷わず、乾いた登山路を宮ヶ瀬方面に下る。
02111532.JPG
こちらの登山路は、木の階段が続く。
宮ヶ瀬ダムからの登山路とは少々イメージが異なる。
大山のつづら坂のような…クネクネ道だ。
大山ほど一段一段の高さはないので、ひざへの負担は少ない。
道は落ち葉が敷き詰められている上に、下の表土が乾いており、滑りやすいから過信は禁物だ。
標高が下がってきたせいか、宮ヶ瀬湖も山の影で見えなくなってきた。
やはり空腹を感じる…。
そこでおにぎりをひとつ取り出し、行儀は悪いが…歩きながら食事を取る事にした。
幸い他の登山者もいない。
我ながらグッドアイデアだ。
02111535.JPG
だんだんと下の県道が木々越しに見えてくる。
階段は少なくなり、つづら折れの細い、赤土剥き出しのけもの道が主になった。
すでに飲み水は切れた…。
もう少しで県道かなあ?
車道の車の音がだんだんと聞こえてくる。
気付かぬうちに歩くスピードが速まる…。
もうすぐ14:00になるという頃、仏果山の登山口に到着した。
実は帰路につく予定時刻が、14:00ごろのつもりだった…。
1時間は遅れているなあ。
少し焦る気持ちを、湖の色がホッとさせてくれる。
まあ、山ヒルとハンターの恐怖(笑)に絶え、無事に降りてこられたし…良かった良かった。
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大棚沢橋手前の駐車場にあるモミジの木は、真っ赤だ。
駐車場では、わざわざ車を停めてモミジの写真を撮るおじさんもいた。
県道伊勢原~津久井線は、車の通りは決して少なくはない。
歩道を歩くなら…まだ大丈夫だが、撮影などで路肩に出る時は充分注意して欲しい。
歩道をひたすら歩く。
アスファルトを歩くのは…土の上より、足や腰に響くような気がする(?)
02111544.JPG
大棚沢橋より山側を望む。彩りがきれいだ…。
県道は宮ヶ瀬湖沿いに回っているので、山並みと湖の対比が観賞できて面白い。
湖畔に覆い被さるモミジは、見事な色合いで目を楽しませてくれる。
宮ヶ瀬トンネルを越えれば、宮ヶ瀬ダム駐車場入り口だ。
午後は薄く雲はかかっているものの晴れ間もあり、平地を歩いていても身体が温まってくる。
ようやく宮ヶ瀬ダム駐車場に辿り着いたのは、14:40のことである。
午前中に来た時は路肩に停めてある車は疎らだったのだが、入り口は満車表示になっていた。
今回は700m級ダブルという計画ではあったが、途中計画変更した。
仏果山シングルならば、大棚沢橋の駐車場から仏果山登山口に入った方が良いとみた。
まあ、時間があればダブルも可能ではあるが、無理は禁物ね。
ガイドマップに載っていない愛川方面からの登山路もあるようだし、結構手軽なハイキングコースだ。
02111522.JPG
高取山山頂にて。

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【過去記事】2002年 大山 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。
 
目的地:大山(神奈川県)
行動日:2002年 11月 09日(土)
天気:晴れ
コースタイム/コース:
 日向駐車場 11:00/林道作業路?~尾根道
 大山山頂 14:00
 見晴台 15:30
  /九十九曲
 日向駐車場 16:30
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大山(1251.7m)/見晴台より
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まっぷるマガジン「ネイチャーウォーク【関東・甲信越】」(昭文社刊行)より
大山登山といったら、小田急伊勢原駅よりケーブルカー駅まで公共交通機関を使うのが、お約束だが…
阿夫利神社下社からのルートではなく、
違う方面からアタックしたい、という衝動に駆られ、車を出した。
ここで、私は大きな大きな勘違いをし、宮ケ瀬湖に向かってしまう。
虹の大橋手前の鳥居原に到着し、マップを見直すと…
何と場違いな、とても、ここから大山へ向かって歩く距離ではないことに気付く。
「何てこった…」
このまま高取山か仏果山を登るか…
それとも七沢か日向から大山に進むか…?
葛藤の末、日向方面に向かうことにした。
(あまりにも無計画すぎる…反省)
 
9:30にのんびり出発したものだから、10:00をとうに過ぎていた。
日向ふるさとのもり手前の無料駐車場に滑り込んだのは、11:00頃だった。
装備を整えて…あれ、どこから登るんだろ?
日向に訪れたのは初めてであるので、登山道入り口がわからない…(実は駐車場のちょっと手前にあったのだ)
日向ふれあいのもりのコテージやバーベキューガーデンに行ってみたが、オフシーズンで誰もいない。
舗装された、雷神社に抜ける林道は閉鎖されて、入っていいのかわからない。
ちょうど日向ふれあいのもりの方から下山してくるおじさんがいた。
おしっ!こっちでいいんだな、と黙々と進む。
奥の方に、山へ抜ける道がある。何となく工事車両出入り口みたいだが、沢沿いに登っているし、行ってみよう!
広いし、楽勝じゃん…そう思っていられるのも、この時だけで、ちょっと進むと…パワーショベルがおいてある開けた場所に出た。
あれれ?突き当たりは砂防ダムみたいな人工物が道をふさいでいる。
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困ったな…と思い、辺りを見回すと…はずれに細い道が見えた。
いちおう、木の階段もあるし、山へ登る道には違いないだろうと、歩を進める。
所々、水源ですよ~みたいな、県の杭が打ち込まれているので、通っても良さそうね…
と自分を納得させる。
しかし…どう見ても、けもの道…。
不安はあれこそ、徐々に標高が上がっていくのがわかる。
道は、いっそう険しくなり、斜面にしがみつきながら登るといった様相だ。
道を失わないように、コンパスと大山山頂を見比べて、白杭を目印に登る。
…ここは下山では使わない方がいいなあ。
そんな不安がよぎる。
幾度か足を滑らせて、滑落しそうになる。
傾斜がかなりキツいので、すぐに谷底だ。
だいぶ前に、丹沢湖に釣りに行ったときのことを思い出す…ポイントを探して崖づたいに湖をまわっていた際、コンクリ崖の中腹で身動きが取れず、数10分へばりついていたことがある。
上部は傾斜がきつく登れない。
下は湖で崖下30cmから向こうは、奈落の水底。
コンクリートの壁面は滑って、気を抜くと一気に水底へとなってしまう。
結局、意を決して湖に飛び降り、何とか足が立つ30cmの部分に着地することが出来たが…下半身ずぶ濡れであった。
あの時と似た不安感を抱きながら、しかし…確実に登っていく。
やがて、1本別の登山路に合流した。
今までとは明らかに違う、開けた登山路に出た!!
立て看板(水源地ですよ~看板)を見ると、どうも周回路みたいだ。
しかし、大山山頂とはだいぶ離れてしまった。
おそらく私は日向山を登っているはずだから、尾根伝いに西に向かわなければならない。
まずはこの山の山頂を目指す。
t02d.JPG
一際小高い部分から、遠くに厚木の街並みが見える。
進行方向を見ると、大山の紅葉が見える。
写真を撮っていると、反対側から登山者が2名やってきた。
向こうから来たということは…間違いではないな~と、ほっとして挨拶を交わす。
山並みを見ると、尾根伝いに回り込まなければ大山へは行けそうもない。
そのまま進むことにした。(…というか、あの斜面には戻りたくない)
標高が高くなってきているようで、ブナやナラが色づいている。
残念ながら、モミジは一部しか真っ赤ではない。
ここの尾根伝いの登山路は、道端の左右は崖になっている。
歩くのは慎重に…。
t02e.JPG
野鳥が多く、しばしバードウォッチング。
静かにしていると、頭上の木々に小鳥が飛んでくる。
残念ながら、F707の10倍ズームでは大きく見る事が出来なかった。
我に返って、再び歩き出す。
ここの尾根伝いの登山路は歩きやすいし、何より気持ちがいい。
大山の山肌がどんどん近づいてくる。もう少しかなあ・・・
相変わらず左右は切り立って、落ちたら戻って来れそうもない。
t02f.JPG
だんだんと、登山路の落ち葉の量が増えてきた気がする。
もうちょっとで、大山の登山路につながるのでは??
気持ちは焦るが、大山は見えども一向に辿り着かない。
岩剥き出しの山肌や、階段みたいな木の根を4つ足で這い上がって、ようやく大山山頂~唐沢峠に続く登山路に合流した。
ここでは大山山頂から下山する登山者達に多くすれ違う。
これから七沢方面に抜けるのだろうか?
t02g.JPG
ここも尾根伝いの登山路だが、ススキなどの背の低い草が多い。
だんだんと登りらしくなり、木製の階段が続く。
この階段はキツいなあ…自分の呼吸する音しか聞こえない(笑)
数m登っては、ひと息。数m登っては、ひと息。これの繰り返し…。
ひざが笑ってきそう…。
t02h.JPG
途中、見晴らしのよいところで振り返ると、相模湾が見える!
標高を稼いだ事を実感した。
更に笹の中を突き進む。
これじゃあ、探検隊だ。
水曜スペシャル?(笑)と内心笑いながら、けもの道のような登山路を進む。
笹道を抜けると、大山山頂と見晴台の分岐点に出た。
大山山頂はあと1.1km!これからが長い。
階段をひたすら登ること数10分、大山山頂が間近にせまる。
t02i.JPG
そして、ようやく大山山頂へ到着。
すでに14:00をまわり、お社はお参り直後、閉められてしまった。
お社脇で一服後…山頂探索へ。
すでにお店は閉められていて何もない…。
しまった…高尾山みたいのを考えてて…今回は食べ物持って来ていなかった…。
飲料水も、さっき飲みきってしまった。
困ったな…。
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そんな不安も、山頂からの景色に和らぐ。
相模湾や江ノ島も見える。
さすが、眺めはいいなあ。
晴れてて良かった。
山頂には、立派な角を持ったシカがいた。
危ないから、あまり近づかない方がいいな。
(近づいていく、観光客も見受けられるが、言語道断!)
空腹に耐えかねて(?)下山することにした。
帰りは見晴台経由、九十九曲経由で日向に下りようと考えた。
一路、2km先の見晴台を目指す。
(2kmちょい、なんて甘いことは考えない方が良いね)
相変わらず、階段をどんどん下りる。
段が高いので、とてもまともには歩けない。
さっき辿り着いた分岐点に、程なく到着する。
来た方(不動尻方面)へは戻らず、見晴台へ進む。
落ち葉に湿った土と滑りそうな登山路に、トレッキングシューズのアイゼンをおろす。
そう、私のトレッキングシューズはダイエーの靴屋の安売りで購入した、PRO-TEXの型遅れモデル(?)だが、踵部分に折りたたみのアイゼンが仕込んである。
子供だましかと思っていたが、結構具合が良い。
落ち葉をくっつけてしまうのが難点だが(笑)
t02k.JPG
今度はガレ場だ。これでもか!というくらいにハードだ。
下りはスピードも乗ってしまうので、撮影枚数が少ない(笑)
だいぶ、陽も傾いてきた頃、見晴らしの良い広場(見晴台)に到着した。
北風が抜け、かなり寒くて休憩どころではないが、何組かベンチで休憩を取っている。
振り返り大山山頂を望むと、あんなところから下りてきたんだあ~と感激せずにはいられない。
時計を見ると15:30をまわっていた。
あと、1時間もすれば、暗くなってしまう…
先を急がねばならない。(懐中電灯持って来てなかったのだ…反省)
やがて、阿夫利神社下社方面と日向薬師方面への分岐となるが、日向薬師と真っ直ぐに進む。
t02l.JPG
うっそうと茂る木々の中、ひたすら下る。
風も出てきて、時折、強い風にあおられた落ち葉が頬をかすめる。
しかし、こちらの登山路に入ってから、まったく人に合わない…
その上、大山に入ってから、携帯電話も圏外だ(笑)
ここで、遭難はしたくないなあ…なんて思っていると、日向ふれあいのもり方面に下りられるつづら坂との分岐に出る。
真っ直ぐ下りるか、少々悩んだが…つづら坂を進むことにした。
t02m.JPG
こんなつづら下りがず~っと続くのだ。
途中まで数を数えていたが、途中でイヤになってしまった(笑)
ここまで来ると…足の指も痛い。マメになっていなければ良いが…
山の斜面も急だ。
半ば重力に任せるまま、歩を進める
やがて見覚えのある建物が見えてきた。
ほっと、ひと安心する。
t02n.JPG
どんどん下りていくと、コテージの脇に出た。
なるほど…ここにつながるのか…。
この事実を、登る前に知っていれば…多少は稼げたなあ。
ふれあいのもり管理棟は、当然誰もいない?
若干、痛む足をひきずりながら、駐車場へ向かう。
こうして数々の反省点を残し、初の大山登山は何とか無事に終了した。
16:30のことである。
駐車場に辿り着くと、登山前はたくさんの車がいたのに…1台きりになってしまっていた。
う~ん、よく無事で帰ってこれた。
幸いにして、足の指にはマメは出来ていなかった。
02110946.JPG

今回の反省)
・荷物のパッキングは、出発前日に行おう!
・事前に、コースの調査を行おう!
・1日に自分が移動できる距離を知ろう!
・朝食はきちんととろう!
・余裕を持って出発しよう!
・非常食・飲料水は確保しておこう!
・懐中電灯は装備しよう!
・ちゃんとした地図は持ち歩こう!
今後、心がけたいですね…
って、全て山登りなら当たり前のことばっかりじゃん!

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