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【過去記事】2003年 本間ノ頭 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。
 
目的地:本間ノ頭(神奈川県)
行動日:2003年 05月 30日(金)
天気:晴れ
コースタイム/コース:
 宮ケ瀬湖DIC 06:45/県道
 宮ケ瀬登山口
 本間ノ頭 12:00~12:20
 高畑山 14:30
 宮ケ瀬登山口 16:00
 宮ケ瀬湖DIC 16:20/県道
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本間ノ頭(1345.4m)/山頂
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丹沢進出2回目となる今回は、宮ヶ瀬からの登頂です。
高畑山を経由して、三ツ峰から丹沢山に行くコースを設定してみました。
地図に記載されているコースタイムでは、宮ヶ瀬 三叉路~丹沢山間は往路 5時間20分、復路 4時間となっておりスーパーハードだ。
今回は無理して丹沢山を目指さず、正午時点のポイントから折り返す事にした。
往復22kmあるし、遭難しちゃあ~大変だ。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

6:30に宮ヶ瀬ビジターセンターに到着したものの、駐車場は開いていない。
平日なので、やまびこ大橋手前の駐在所裏の駐車場も閉まっている。
しょうがないんで…ダムインフォメーションセンターの駐車場(ゲートは開いている)に駐車し、帰りに料金を払う旨メモを残しておいた。
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駐車場から登山道入口までは、およそ15分程度。
バスで来たなら…三叉路というバス停で降りると10分もかからない。
今回は登山者カードを提出したのだ。
全国共通で使えるものではなく…丹沢山系用の書式のもの。
神奈川県警のHPよりダウンロード出来ます。
予め丹沢山系の概略図が入っていて、コースを記入しやすいのだ。
7:00~いざ入山。
細くて、湿った道を黙々と登っていく。
小さな羽虫やくもの糸…。さながら腐海の様…(笑)
藪の中のけもの道のような登山路をどんどん登って行くと、少し景色の見える切返しに出た。
写真には撮れなかったが…ニホンシカが2頭、登山路の私をうかがっている。
宮ヶ瀬湖の湿地でも見かけたし、今日は良く見る日だ。朝早いからか?
やがて薄暗い道の先にゲートが見えてきた。
やはり保安林の柵だ。
丁重にロックをし直す(鎖であったり、ゴムバンドであったりする)。
更に歩を進めると同じようなゲートがあった。森を守るのは大変である。
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御殿森ノ頭付近に到着。ここから…まだ4時間半は歩かなくてはならない。
8:00はとうに回った頃、下山のおじさんとすれ違う(泊まりの人かな?)
にこやかに挨拶する。
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カメラ2つ(EOS-7とF-707)ぶら下げて、腰には登山ナイフ、頭にタオルは…。
どう見ても山賊かもしれない。(笑)
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道端にはマルバウツギの小さな白い花が咲いている。つい足を止めてしまう。
こんなものなので、ペースに遅れを生じている。
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ひたすら細い登山路を進む。苔生した岩には、何だか温かみを感じる。
遠くの山々は連なり、きれいな色合いで重なる…。
ちょっとひと休みの間、風景に見入りながら、日本も捨てたもんじゃないよと思う。
再び下山者とすれ違う。
3人組のおじさんは元気そうだ。
植林された森の中、切り倒された木々の元に別の植物が芽を出す。
命は回っているんだなあ…と、妙に感心したりして。
ようやく、高畑山山頂分岐(東側)に到達。
予定よりも1時間近くオーバー…。
この辺りは所々道が崩れ、木橋がかかっている。
ちょっとしたアトラクションのようで楽しい(笑)
傍らではミツバツツジの花が鮮やかで、目を楽しませてくれる。
新緑の中でピンクの花が冴える。
土砂が崩れ落ちた跡もあり、大きな岩が今にも落ちてきそうな箇所もある…コワイコワイ。
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そろそろ金冷シという頃は、岩場が多い上に…道も更に細い。
全体的にそうなのだが…細い登山道を踏み外したら、そのまま谷に滑落する。
すでに雨などで流れている部分も多い、注意されたし。
しかし、緑色の美しさには、ため息が出るほどだ…。
金冷シまで到着。ようやく1/3は来たか…。
山を抜ける風はひんやりとしていて、まさに天然のクーラーだ。
しかし前半戦でかなりの体力を消費しており(笑)休む間隔が短くなってきている(笑)
1月に丹沢に登ってから暫くブランクがあった。日ごろのトレーニングは必要だ。
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黄緑色の絵の具で塗りつぶしたような新緑。思いっきり、深呼吸するのがとても気持ちいい。
とはいえ、この先本間ノ頭(1345.4m)までは、かなりの登りが続くと聞く。
案の定、オニのような登りが続く…。
風の音と鳥の声しか聞こえない中で、ゆっくりゆっくりと登っていく。
時折現れる緩やかな地点は、さながらオアシスのようだ(笑)
途中すれ違ったおじさんが「ここは、長いね~」と言いながら下りていく。
そう言われると…「本間ノ頭まで、まだまだですか?」なんて…恐ろしくて聞けない(笑)
岩場もあり、フラフラの身体にはこたえる。
本間ノ頭の直下あたりは、野鳥のさえずりが良く聞こえる。
休憩がてら耳をすましながら、声の主を探す。
野鳥は木の枝ごしの上、動きも素早いので狙った写真が撮りにくい。
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ようやく…捕らえることが出来た。羽の瑠璃色が美しいのは…カケスだ。
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まだまだ登りは続く…。
見た目鮮やかな状況に比べ、登ること自体は過酷で…何て残酷なのだろう。
ブナは静かに立ち、私の様子をうかがっている。
会話するように、思わずシャッターを切る。
「そこを登りきったら…本間ノ頭」と自分自身をだましながら(笑)程なく歩くと、少し見通しのきく所に出た。
雲が山頂を隠すかのように垂れ下がってくる。天候が変わるのだろうか?
何度目かの「そこを登れば…」と思っていた階段で下山者とすれ違う。
呼吸を整えて階段を上りきると…本当に本間ノ頭であった。
見通しは利かないが…三ツ峰のひとつ、本間ノ頭(1345.4m)である。
7:00から歩いて…12:00。5時間もかかった。
丹沢山までは、ここから更に2時間ほど歩くことになる。
地図上の時間だから、自分だったら…3時間近くかかるのではないだろうか(汗)
とはいえ、昼食をとることにした。
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真ん中にブナ(?)の木があって、ベンチ代わりに休まさせてもらうことにした。
ここまで登ってくる途中、時計を見ながら考えていたのだが、丹沢山は諦め、早戸川へ降りて、川沿いに宮ヶ瀬湖に戻ろうかと考えていた。
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しかしながら…一般登山者通行禁止の立て看板が…非情にも道を塞いでいる。
確かに地図にも崩壊地が多く、迷いやすいと記載されている。
ちょっと迷ったが…(おいおい)早戸川付近で登山者が遭難した記事を思い出し、もと来た道を戻ることに決めた。
12:20ごろ、再び歩き出す。
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道端にはまるで飾り付けられたかのように、下草の新しい葉が添えられている。
下りとはいえ、所々の岩場には注意だ。
あれだけ苦戦した登りに比べて下っていくのは早い。登りの半分くらいの計算になる(笑)
陽射しの入り方が時間とともに変わって、往きとは異なる風景に遭遇できる。
一時は曇ってくるのかと心配していたが、天気はもってくれた。
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あっという間に金冷シまで降りてくることが出来た。
ここいらはちょっと危険なコースだが、アトラクションみたいで楽しい。
橋の下は押し流された跡がある。雨が降ったらウォータースライダーだなあ…。
せっかくだから、往路はパスした高畑山山頂へ登ることにした。
足もそろそろ痛くなってきてる。
この登りは辛い(笑)
山頂が見えてきた~。早足になる。
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高畑山山頂には展望台があった。
すでに先客がいて、遅い昼食を取っているところだった。
カメラバックを持っていたので、私と同様(?)、写真を撮りに来ているようだ。
私は傍らのベンチに身を投げ出し、しばし休憩。
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高畑山(766m)展望台からの眺めは、そんなに良くはない。
15分ほど休憩して、高畑山を降りる。
下りは早い…あっという間に、登山路に合流。
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午後の陽射しは柔らか味を増し、スギ林に静かに入り込む。
だんだんと膝も笑い出してくる頃、宮ヶ瀬湖が見えてきた。
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目的地が見えてくるだけでも、足取りが変わるものだ。荷物も軽い(笑)
往路の時と比べ、道の湿り具合が変わっている。
程よい土の柔らかさ、去年のうちにたまった落ち葉が疲れた足に心地よい。
次第に下草も増えて…植生を見ると高度が変わってきているのが、素人でもわかる。
あと…少し。
今度は自分をだますことなく、本当にもうちょっとなのだ(笑)
登山道入り口数十m手前で、高畑山であったカメラマンの人に再び出会う。
彼は道端に座って、何かを待っているようだ。
邪魔をしないように、足音をたてないように…そうっと挨拶を交わして、その場を離れる。
ようやく…下山成功!16:00のことである。
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登山道入口から宮ヶ瀬ダムインフォメーションセンター駐車場に向かって歩道を歩く。
ヤッケを脱ぎ、Tシャツの身体に、風が気持ちいい。
宮ヶ瀬湖付近、朝はこの湿地にニホンシカがいたのだ。
駐車場に到着したのは…16:20のこと。
お疲れ様でした。
丹沢山には行けなかったけど…丹沢山系の奥深さに触れるには充分。
しかし地図のコースタイム、40~50代男性で登山経験者って…おじさんは早いなあ…私には、×1.5しなければ…。
まあ、立ち止まってはカメラ構えての繰り返しだから、仕方ないといえばそれまでだ。
今回の教訓。
・水は多めに
・引き際の鮮やかさに酔おう
・遭難したくなければ、立看板のいう事を聞こう

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