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【過去記事】2004年 三ツ峰 [山関連]

当時HPに載せていたものの転載になります。
登山コースや道路状況は当時のものですので、現状とは異なる場合があります。
ご了承ください。

目的地:三ツ峰(神奈川県)
行動日:2004年 2月 11日(水)
天気:晴れ
コースタイム/コース:
 丹沢観光センター 07:15
 早戸大滝
 丹沢北尾根 12:45~13:55/丹沢北尾根
 太礼ノ頭 14:05
 円山木ノ頭 14:20
 本間ノ頭 15:00
 丹沢観光センター 17:00
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円山木ノ頭(1360m)/蛭ヶ岳より宮ケ瀬湖を臨む
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以前から訪れてみようと思っていた早戸大滝から、丹沢山~三ツ峰へ続く尾根に出れるルートがあるので、昨年出来なかった三ツ峰縦走と合わせて挑戦してみた。
山と高原地図28「丹沢」(昭文社)より

今回は歩きだけで単純計算5時間ちょっとということもあり、いつもより遅めの6:00に出発。
宮ケ瀬より丹沢観光センターへの細い山道を進む。
舗装されてはいるが表面は凍結して白い。
スタッドレスを履いてはいるが、慎重に進む。
路肩に雪の塊が見えてくる頃、丹沢観光センターに到着したが、無料駐車場への入り口はチェーンで閉鎖されていた。
7:00じゃ、早すぎるか(笑)
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やむを得ず、その先のゲート手前の路肩に駐車。私の他に、先客が2台あった。
登山届を出そうと思ったが・・・どこに出すかわからない
(本当は丹沢観光センターの入り口付近にポストがあったのだ)
そのまま装備を整えて、歩き出したのが7:15のこと。
ゲート付近の路面は融けかけた雪が凍り、とても危険だ。
ゲートをくぐり橋を渡ると…林道は右に大きく曲がり、その先180度戻って…という典型的な山道だ。
地図上ではそれをショートカットする道が記載されている。
橋を渡って、すぐ左へ上がっていくと林道に合流できる。
林道はところどころ土砂崩れで無残な状態だが、歩き易い道が続く。
30分ほどすると、伝道に到着した。
ここからは細い道になる上、雪も残っている。
小さな沢を越えると、それまでの沢沿いから崖側の山に登るコースになった。
要所要所に「オオタキ→」の札が吊り下げられており、かろうじてコースをキープ出来る。
入り込んだ沢では厚い氷がはり、岩も雪や氷を被って滑りやすい。
一旦崖上まで登ると、再び沢沿いに崖を巻く様に道が続く。
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やがて造林小屋が見えて来たが…当然、誰もいない。
脇に見られる沢では寒さで氷柱が出来ていたので、歩を止め10分ほど撮影を行う。
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再び歩を進めると、丸太橋がかかっており、沢を渡る羽目になる。
表面の霜が、かなり滑るもので…怖い。
朝の沢は…とても気持ちが良い雰囲気だ。
水はものすごく澄んでいる。
足を取られないように気をつけつつ河原を歩きながら、ため息が出るような景色の中を進む。
何度か丸太橋を渡る。
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河原の雪は次第に深くなっていく。
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時折見られる案内の札と、木々に付けられたテープを頼りに、更に奥へと向かう。
8:40、雷平に到着した。
さすがに雪原では歩きにくい事もあり、ペースが遅い。
この辺りから蛭ヶ岳に向かうコースもあるらしいが…私は、再び沢を渡り早戸大滝を目指す。
有志でやってくれたのだろう…迷いそうなポイントの岩の上にはケルンがあり、行く手を告げてくれている。
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先行者か?昨日の踏跡か?…3人程度の足跡が雪の河原の先に続いている。
空は晴れているのに…時折雪が舞う。
降った雪が風に飛ばされたものか?
雷平より20分ほど進んだ辺りで、周辺の小さな沢が凍結しているのを見かける。
思わず、見とれてしまう…。
あちこち、そういう状態なのだが…ついに我慢出来なくなって(笑)ザックを投げ出し、カメラを抱えて沢に近づく。
沢に落ちそうなくらい身を乗り出して、思うままにアングルを変えて、シャッターを切る。
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自然の造形美には・・・圧倒的な力強さを感じるね~。
沢での氷柱や氷だけで…フィルム1本を消費してしまった(笑)
名残惜しくも河原を進み、何度となく沢を渡り…10:10頃、目の前に切り立った谷が現れた。
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その奥には大きな氷の柱が存在感をアピールしている。早戸大滝は見事に凍っていたのだ!
氷の内側はまだ水が流れているようで、滝壺から沢へは透き通った水が溢れている。
北側斜面で日も当たらないせいか、空気は痛いほど冷たい。
手持ちの温度計では2℃だった。
夢中で撮影する。
早戸大滝に近寄りたいのだが、両側は切り立った崖。
見ると左手前に大きな岩がせり出しており、そこへは行けそうだ。
三脚とカメラを担いで岩をよじ登る。
木の枝が邪魔にならないようなポジションをキープ出来たので、カメラを構える。
あれ?シャッターが下りない。
フォーカスまでは駆動するのに…???
液晶表示を見ると…バッテリーLowだ(T.T)
何てことだ~!?先日の蔵王でかなり消耗していたんだ。
ボディのメンテはしっかりやったのに、電池を換えるの忘れてたあ~。
虚しさを背中に表しつつ、慎重に岩から下りる。
下の河原に着くと、電池を外し手で暖めること数分…再度電池を入れてみる。
ピピ…カシャッ…。あれ?
シャッターは下りても、フィルムが巻き上がらない…(T.T)
その後、何度も暖めてみたけれど…復活はしてくれなかったのだ。(悲)
まあ…何コマか撮れたし…と自分を慰めつつ、もう一つの目的に思考を切り替えることにした。
10:45、ザックを背負い、左側の切り立った崖に向けて登り出す。
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かなり難易度の高いコースだ。所々ロープが張られ、足元は崩れかけている。
切り立った尾根を慎重に進むが、早戸大滝を見下ろせるポイントはなかった。
どんどん滝からは離れていく。後ろには蛭ヶ岳が見える。
地図上では少し回りこんでから、丹沢山北の尾根に合流することになっている。
やがて雪原の林に入る。
昨日以前と思われるのだが…ここを下った踏跡がある。
それを頼りに登っていく。
林の中は人通りも少ないせいか枝が伸びて通りにくい。背負った三脚が引っかかる。
今回、アイゼンは準備していなかった(あさはかである)ので、キックステップで、つま先を斜面に蹴り入れながら登って行く。
油断して、蹴り込みが甘いと滑り落ちる。
また、場所によっては…すねまで埋まる。
雪と格闘しながらふと横を見ると、それまで後ろに見えていた蛭ヶ岳が横に見えて来た。
丹沢の尾根に向かっている…ということになる。白い山肌に五分刈り頭のようだ。
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傍らを見るといい感じのスロープ…。スキーにはいい感じだ(笑)
キックステップでどんどん登って行くと、目の前に尾根が見えて来た!もう少しだ。
しかし、行く手をシカ避けの柵が遮っている…。どうやっていくんだ?
木の枝に付けられたマーカーを探すも良くわからない…。
柵沿いに進むと、柵の切れ目が見つかった。
伐採した木々が無造作に転がっている。
マーカーも途絶えているが、これを上がるしかないだろう…。
意を決して登ると、その先にマーカーが見えた。
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12:45、ようやく丹沢北の尾根道に到達。
丹沢山方向に小さなピークがあったので、そこまで登るとテーブルが一つあった。
丹沢山までは1.2kmの地点だ。
地図上では、瀬戸沢ノ頭と太礼ノ頭の中間に出たことになる。
テーブルに座っていると、おじさんが三ツ峰方面よりやって来た。
メーカーはわからなかったが、35mm一眼レフを小脇に抱えている。
おじさんは雪山用のゴツい登山靴にアイゼン装備だった。(普通そうだろう)
挨拶を交わすと、おじさんは丹沢山方向に歩いて行った。
計画では‥丹沢山まで行って昼食、折り返して三ツ峰というつもりだったが…現在地で13:00頃では、下山が厳しい…。
丹沢山はあきらめて、ここで昼食。
その後三ツ峰を目指すことにした。
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今回もカップめんだ。尾根は風も強く…なかなか湯が沸かない。
ちょっと固めの麺をすすりながら、日当たりの良い尾根でのひと時の休息を楽しむ。
寒さでスパッツのゴム(靴の底に回してある)が凍りつき、雪が団子になって歩きにくい。
汗も乾き、少し肌寒く感じ出した 13:35、再びザックを背負い、三ツ峰を目指す。
三ツ峰とは、丹沢山より北方に伸びる尾根で、南より太礼ノ頭、円山木ノ頭、本間ノ頭の三つのピークを指していうらしい。
円山木ノ頭と本間ノ頭(昨年、宮ケ瀬より登頂した)の間には、地図上、無名ノ頭というピークがあるが、これはカウントされない(?)
北側斜面は雪が残っており、ところによっては凍っているので、注意が必要。
ストックを頼りに一気に下りると…目の前に太礼ノ頭が現れた。
南斜面は階段が続く…。日当たりも良いせいか、雪はなく、地面も乾いている。
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黙々と階段を登り続けると、開けた場所に出た。14:05、太礼ノ頭(1,352m)に到着。
ピークと言えど、周囲は木々に囲まれ見通しは良くない。
ひと息ついて、早々に次のピークに向かう。
やはり、下りは雪が残る斜面だ。
しりもちをつかないように、荷重のかけ方に注意して歩く。
あっという間に下ると、続いて見えるのは、円山木ノ頭だ。
やはり、登りは階段だ。
って事は、この先同じように上り下りが続く訳だ…。
その都度、ストックの長さを調整しつつ、身体への負担を均等にする。
フーフーいいながら階段を登り切ると、ようやく到着だ。
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14:20、円山木ノ頭(1,360m)だ。タバコ休憩を取って、再び歩き出す
雪原にいると、スパッツのゴムが雪に引っ付いて、金具から外れてしまう。
もう、ゴムもずいぶん伸びきってしまっているようだ。
応急処置でゴムに結び目を作って、きつめに調整した。
んっ・・・快適~。
雪原を抜けピークに駆け上がると…無名ノ頭だった。
同じような風景だ(笑)
無名ノ頭から本間ノ頭へは高低差も少ない。
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横を見ると、大山や天王寺尾根、丹沢山が…きれいなシルエットを重ねている。
10分も歩かないうちに、見たことのある場所に出た。
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15:00、本間ノ頭(1345.4m)到着。昨年にはなかったテーブルが置いてある。
昼食の際、腰掛けたブナの木も…そのままだった。
休憩は取らずに、今回は…ここから、丹沢観光センターに向けて下る。
「一般登山者立ち入り禁止」と書かれた看板を背に、登山道に分け入る。
細い登山路が、未知の区間に続いていた。
このルートを選択したのは…会社の山岳部HPに、12月末、このルートを取ったことが書かれていたことによる。
それまで、通れるような箇所でないと認識していたが、これまでのルートファインディング技術で通用するか、自分を試してみたいというおごりもあった。
実際、地図には記載されているルートだしね…。
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雪原を下る、ひと筋の足跡が先に続く…。
典型的な登山靴のパターンだが、靴底からはがれた雪片などから、少し前につけられたものと判断出来る。
誰かが先を歩いたことは確かだ…。
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マーキングと踏跡を頼りに歩くと…看板が出てきた。左に進むと、丹沢観光センターへ。
スキーを履いていたら…楽しそうな林の中をもくもくと歩く。
しばし雪原が続くのかと思いきや…ブッシュの中へ、マーキングは続く。
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これだけ木々が密集していると…三脚はおろか、ザックまで引っかかる。
悪戦苦闘しながら歩いていると、頼りにしていたマーキングがあやふや…。
黄色や赤のテープを目印にしていたが、青いテープもあったりして紛らわしい…。
時折考え込むこと数回、日向斜面で泥んこで滑りそうになること数回…こりゃ大変だ。
それでもルートは外していないようだ。
やがて、細い尾根道となった。
ロープが張られているが、道は小レキで、崩れて滑りやすい。
ロープでの降下を行うこと数回…。気が付くと沢に出た。
???これからどこへ行くのさ?
地図上では、沢を越えるようなポイントがない。
間違っているんだろうか?
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よ~く見ると…岩の上にケルンが。しかも行き先を表している!感謝!
もはや…地図通りのルートではないと確信。
しかしながら、このまま下っていかなければならない。
もう16:30を回っている…。一気に下るしかない。
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しばらく沢沿いに下る。一時見失った踏跡も再び確認することが出来た。
良かった…先行者も無事だったようだ。
さすがに先行者の足跡が不意に無くなると、自分が道に迷ったなんて思いもせず、先行者が滑落してるんじゃないかとか…そんな事が頭をよぎる。
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標高も下がったようで杉林となった。遠くに犬の声が聞こえる。ハンターか?
ともあれ、下界に下りることが出来そうで(笑)ほっとしてくる。
気持ち歩みが速まる。
再び沢を渡ると…人工的な構造物が見えてきた。
沢から水を引いているようだ。遠くには建物も見える!
16:55、丹沢観光センターに到着。
道路に合流したポイントは、地図の合流ポイントと一致している。
持っている地図のルートとは異なるように思えたが、発行後、管理の手も入り多少変更されたのかもしれない。
17:00、路肩に停めてある車まで無事にたどり着くことが出来た。
う~ん、恐らくこのルートは二度と使うまい。
ルートを見つける事に関しての不安はなかったが…何せこのルートは危険箇所が多い。
傾斜もきつく、登りでは前半であごが出そうだ。
積雪がなければ多少は早かったかもしれないが、かえって今回は、踏跡も明確で迷いにくかったかもしれない。
多少、管理の手が入ってくれて、もう少しわかりやすい道になってくれれば…日帰り丹沢山のルートとして有効なのだが…。
もし、ここに来て見ようと思っている方がいたら…下山時刻に余裕を持って挑戦して欲しい…。
…っていうか、丹沢に初めて来るような人は踏み入れない方が良いと思う。

今回の教訓)
・予備の電池は持ち歩こう…。
・機材への寒冷地対策を施そう。
・丹沢でも、積雪時はアイゼンは必須。
・クライミング要素を含む登山では、今のザックは重量バランスが悪く、不向きである。

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